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桃香(tousyan)
【調教 官能小説】

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秋麗-2


 その頃、気が進まないながらも始めていた点字の勉強・・・目が見えているとどれも同じにしか感じられない、しかし、目を閉じて触れているうちに次第に文字の違いがわかるようになって来る・・・聴覚、嗅覚も同じ・・・目を閉じたからと言って、急に耳が良くなったり鼻が利くようになるわけではない、神経を集中する術が身に着くのだ。
 ならば、その集中力を別の方面に向けることが出来れば、常人では得られない官能の高みに到達できるのではないか・・・。

 そう考えるに至った麗子はキャバクラを辞め、ソープ嬢へ転身した。
 慣れた個室での仕事ならば失明してからもそう不自由はない、そして目が見えない女に対しても男は何か出来る。
 ただ、麗子にとってはそれだけではない、自分の仮説が正しければ自分は客にとって最高の娼婦になれる、そしてそれは自分自身にとっても最高の悦びをもたらしてくれるはず・・・。

 そして3年後、麗子は完全に光を失った。

 視野が徐々に失われて行く中で、既に麗子は自分の仮説が正しい事を確信していたが、完全に光を失うと麗子の能力は加速度を増して高まって行った。
 通常、盲人は視覚を補う能力を得ることに努力する、しかし、麗子は違った。
 馴染んだ個室の中での仕事は目が見えなくなっても大きな支障はない、通勤もタクシーを使えば問題ない、麗子は視覚を補うことよりも性感を研ぎ澄ます事を第一義に考えたのだ。

 客が麗子のむき出しの腰を掴んだ時、麗子は膣に神経を集中する・・・目が見えなくなったことで飛躍的に高まった触覚への集中力をそこに向けるのだ。
 すると、ペニスの形状や、それによって変形する膣の内部、歪められる子宮の形状までを感じ取ることが出来るようになる、挿入角度やピストンの速さ、強さ、そしてその時のペニスの変化までをも感じ取れるようになると、それは麗子に激しい快感と興奮をもたらす、ただピストンを受け止めているだけではなく、男の興奮の度合いまでが麗子の意識の中に流れ込んでくるのだ、そしてその最中に乳首やアナルなどの敏感な部分に触れられると膣に集中していた意識が瞬時にそちらへ移り、麗子の体は劇的な敏感さで反応する。
 それらは麗子を抱いている男にとっても新鮮な興奮をもたらす、触れる部分全てに常人離れした反応を示し、ピストンの速さ、角度を変えればすぐに反応が帰って来る、自分の興奮が麗子を通じて自分自身にフィードバックされるのだ。
 打てば響くどころか触れただけで鳴り響く鐘・・・それが光を失った麗子だった。
 そして、麗子の指先、舌、唇は男のツボを的確に捉え、風にそよぐような繊細なタッチで男をたちまち天国へと誘う・・・。
 
 そうして男達は麗子に夢中になり、麗子自身も三年にわたって貪欲に新たな性の悦びを追求してきた。
 しかし、それにもやはり限界はある。
 この一年ほどは新たな悦びを見出せなくなって来ているのだ。

 シネアートからの誘いがあったのは、そんな折のことだった。
 ソープ嬢と言う仕事にも、何の楽しみも見出せない日常にも倦んでいた麗子は、その誘いに飛びついた。

 

 30歳と言う遅咲きでのAVデビューだったが、麗子の、いや、麗子改め秋麗の作品は驚きと興奮をもって受け入れられた。
 盲目ゆえの独特な雰囲気だけでも猟奇的な興奮をもたらす上に、麗子の常人離れした感度は映像を通してさえ伝わって来る、作品を鑑賞した誰もが秋麗に触れてみたい、抱いて見たいと思わずにはいられない、そして繊細な指使いでの愛撫とフェラも映像を通してすらその心地良さを連想させるに充分。
 しかも、秋麗がAVの世界に飛び込んだのはその練り上げた感度と性戯を見せ付けるためではない、複数プレイ、レイプ、SMと次々にハードな作品に挑戦して行き、その中で自分がどれだけの興奮を、絶頂を得られるのかを知りたい、確かめたい、それこそが秋麗がAVに飛び込んだ理由なのだ。
 複数プレイでは無数の指が身体を這い回り、秋麗の集中力は体中を高速で駆け巡る。 
 形状や硬さが違い、ピストンの速度や強さが異なる何本ものペニスが代わる代わる挿入されると、麗子はその都度異なる高みへと上り詰めて行く。
 レイププレイでは何をされるのかが見えないが為の恐怖が身体を覆い、予期できない挿入を受ければまるで剣を突き立てられたかのような衝撃で一瞬にして逝かされる。
 そしてSMプレイではそれら全てが一度にもたらされ、秋麗は意識を保つことすら出来なくなる。

 毎回の撮影が秋麗にとって新たな性の悦びをもたらしてくれ、撮影ごとに違った反応を示してくれる・・・秋麗とシネアートの出会いは双方にとって幸せな結婚だった。
 
 そして、秋麗がシネアートに貢献したのはその作品でのみに留まらなかった。

 盲目ゆえの聴覚で、秋麗は言葉の端々から人の気持ちを読み取ることが出来る。
 AV女優となる女性の中には複雑な事情を抱えている者や意識下に強烈な願望を抱えている者も少なくない。
 秋麗と親密に話すことによって、悩みから解放されたり、内なる願望に気付かされる女優も数多くいる、そのことで吹っ切れたように新たなレベルに駆け上がって行く女優、よりハードな作品に果敢に挑戦するようになった女優もあまたいた。

 そうして8年の間、シネアートで活躍していた秋麗だったが、実は本人も知らなかった先天的な心臓疾患を抱えていた。
 ある時、SMの撮影中に発作に見舞われた秋麗は、医師の勧告に従って引退せざるを得なかったのだ。

 しかし、AVに関わっていることは秋麗にとって生きている意味に等しい、女優としては引退しても、様々な分野で秋麗はシネアートに貢献し続けた。
 そして、その仕上げともなるべき大きな貢献をすることになる。
 
 桃香の里親になることによって・・・。


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