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王子の甘い罠
【女性向け 官能小説】

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それから王子のことを直接聞いて来る人はいなかったけど
どうにも居心地が悪くて
1時間ほどで仕事を切り上げて王子のマンションに向かった。

エントランスで王子の部屋番号を呼び出せば
くすくす笑いながらロックをはずしてくれた。

軽いため息をついて部屋までたどり着くと
ドアを開けながら「いらっしゃい」と極上の笑みで迎えてくれた。

あ。王子の私服だ。

スーツとはまた違ったジーンズ姿に
ちょっぴり子供っぽさも残っててかわいい。

「食べたら、今日はどんなプレイをしようか?」

耳元でそうささやいて
後ろから抱き付くように私の身体に手を回した。
「あのさ。会社であれはないと思うんだけど?」
「あれ?」

わざと分からないふりをする。
このオトコ!

「あんな風にみんなに話題を提供しなくても」
「わ・ざ・わ・ざ!提供してるんだよ」

ギュッと抱き付いて首筋をなめる。

「すみれさん。自分がモテるって自覚したほうがいい。
俺が独占欲を見せないと、狙ってるやつは山ほどいるんだよ」

「ど、独占欲?」
「そう。俺、すみれさんを好きだって言ったよね?
こんな事する相手は俺だけで十分なはずだよ」

「うそつけ!エセ王子!あんた楽しんでるだけでしょう!」
「まさか」

「んっっ・・・・っ」

首筋をなめて、おなかで交差していた手が胸に這い上がってきた。
「ね。このまま抱いていい?」
「だめ・・・」

「うん。だめね」
そう言うと、私を抱き上げて寝室に連れていく。

小さい間接照明が1つだけほのかに照らしているその部屋は
暗くて目が慣れるまでに時間がかかる。



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