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〈生贄の肉・二つ〉
【鬼畜 官能小説】

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〈伸びた触手〉-3

『し、シスターも朝のお祈りでしょうか?』


思い切りズームして撮られた映像のとは、その美貌には格段な差があった。
いや、あり過ぎた。

肌は雪のように白く、きっちりとした二重瞼も、パッチリした瞳に沿う眉毛も、スラリと通った鼻筋も、どこか憂いを含んだ唇も、柔らかなラインを描く頬のラインも……〈美〉という言葉では言い表せないくらい、目の前の女性は凛々しくて神々しかった。


「朝のお祈りは終わりました。それと……私はシスターではありません。まだ見習いの身です」


思えば、昨日の夕方、玲奈を見送るような事をしなければ、奈々未の存在はこの男達に知られる事は無かった。
そして今、非道を行う人面獣と対面するような事にもならなかった筈だった。


『見習い……そうは見えませんよ?俺には立派なシスターに見えます』

「いえ……私はまだまだ未熟者です。お祈りのお邪魔にならぬよう、私はこれで……」


初対面のこの男に、奈々未は嫌悪を感じていた。
それが何故なのかは分からなかったが、早く離れなければ。と、心が落ち着かなくなっていた。


『シスターにだから言いますが、俺、今までいろんな人に迷惑かけてきたんです。このままじゃ駄目だと思って……それでこの教会が目に入ったから……祈りでも捧げて少しでも、悪い自分を改めてみようって……丁寧な言葉とか知らなくて、汚くてすいません……』





男は、奈々未が嫌悪を感じている事を察していた。
あの唇の愁いは、まさに其れを表すものだと直感していたのだ。

そこで敢えて自分は悪い男だと打ち明け、その仕出かした罪に苛んでいるという素振りを見せた。
つまり、哀れな男を演じたのである。


「……そうでしたの……」


あまりにも素直な打ち明けに、奈々未はさっきの自分を悔いた。
人を見た目だけで判断し、胸の中に仕舞っている苦しみを見抜けなかった未熟さを恥じた。



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