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笛の音
【父娘相姦 官能小説】

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笛の音 2.-6

 第一声が怖気づいたのを呆れた笑みで隠そうとしたが、この愛美にすら気づかれるほど隠しおおせなかった。愛美が身を有紗のほうへ向けてきて姉を見上げる。
「ご、ごめんね。変なこと訊いて。……お、おねえちゃんだったら、その……、すごく美人だし、あんなにスタイルいいから、……け、経験豊富、なのかなって思って……」
 おどおどとして、言葉に詰まりながら言った愛美が、あ、と気づいたように、「ち、ちがうよ? おねえちゃんのこと、そ、そういう、……な、なんか取っかえひっかえとか、そ、そういう意味で……」
 妹がどういう誤解を恐れたのか分かる。そんなふうに取ってはいないと安心させてやりたかった。だが何と言ってやったらいいんだろう。それ以前に、この動揺をどう抑えればいいんだろう。作り上げた姉の表情を崩さないよう腐心しながら、愛美を見返していた有紗の口からは言葉は出てこなかった。
「……、私ね。……私、直くんしか、知らないんだ」
 すぐに言葉で埋めていれば、聞かなくて良かったのかもしれない。「……あ、あのね。せ、先週の土曜、直くんと初めてしたの。……そ、それは後悔なんかしてない。すごく嬉しかったから……。……な、直くんも初めてだったんだって」
 腹の底から濁流が噴出してくる。相槌でもいい、何とか愛美に声をかけてやりたいが、それを押し留めるのが精一杯だ。
「で、でも、直くん……、それから、ぜ、ぜんぜん誘ってくれなくて。……っていうか、は、初めてした時も、わ、私から……。いっぱい甘えて、お願いして、やっと……」
 愛美が鼻を啜り始めた。有紗が必死に奥歯を噛んでいるのに、先に泣かれてしまった。まだ言葉を発することはできない。「妹の相談に乗る姉」の虚容を見せ続けれてはいるが、非常に危うい。
「直くん……、二十一なんだ、歳。……そ、その歳までしたことなかった、のは、別に、何でも無いんだけど、……お、男の子ってさ……、普通、エッチいっぱいしたがるんでしょ? でも、してくれない……。どぉしよう、お姉ちゃん。直くん、やっぱり引いちゃったのかな? 私から、エッチ、エッチって言っちゃったから……、重いって嫌われちゃったのかなぁ……」
「そんなことない。……そんなことないよ、愛美」
 直樹の詳細を聞かされそうになって漸く出た姉の声に、うう、と声を漏らし、愛美が小さく悲声を上げて泣いた。耳を塞ぎたかったが、塞ぐべき手は背を擦らなければならないからできない。有紗は直樹が手を出さない理由を知っている。愛美が信頼して相談してきている相手は、狭い部屋の中で彼の欲情を煽り、七年分の淫らさで彼を翻意させた女だ。そう、ついさっきまで、愛美を悩ませる直樹は彼女が妹だと知ってもなお有紗を待って家の近くにいたのだ。
「私、おねえちゃんみたいに、……キレイじゃないし、ス、スタイルもよくないし、な、直くんをエッチな気持ちにさせてあげられないんだ……」
「愛美……」
 もう限界だ。声が震えたが、有紗は愛美を引き寄せて腕の中に抱いた。すると更に愛美の泣き声の哀しみが増す。子供っぽさが残る可愛らしい印象が強い、愛美によく似合ったヘアスタイル、その髪を頬で擦り、
「大丈夫だよ。……彼氏もさ、きっと照れてるんだよ。初めての子だったんでしょ? ……すぐにまたエッチしたい、なんて言ったら、体目的だって、愛美に嫌われるんじゃないかって思ってるんじゃん?」
 辛うじてそう諭した。そうかなぁ、と嗚咽する愛美を更に抱きしめる。本当は胸の中に愛美の顔を埋めさせて慰めたかった。だが、そうすると自分の鼓動を妹に聞かれてしまうからできない。しかもその鼓動の理由は、とても言えないし、考えたくもない。
 考えてはいけないと必死に願っているのに――、腕に触れるこの体で直樹が初体験を終えた、という事実が頭の中に靄を張ってくる。叔父にホテルに連れ込まれ、張形と媚薬で悶え狂わされていた日に、有紗の知らない間に愛美は出かけて直樹と結ばれていた。
 かつて約束をした。この子ではなく、自分が彼にとってかけがえのない女になる筈だった。
 まだ続くの? おねがい、もう帰って。
 靄の中、部屋の入口の所にあの青白い彼がまた立っている。ちょうどいい体勢だろ? その髪を掴んで引き回し、背中に爪を立てて掻き毟ってやればいい。何ならそのまま両手を首に回して力を込めることもできるぞ?
 慰められて悲嘆が治まってくる愛美の髪に唇を押し付けながら、有紗は必死に瞼を閉じた。こんなことなら叔父を牽制せず、淫虐に姦されてしまえばよかった。直樹の頬を叩いてきたばかりの自分だったら、身を強張らせ、声を押し殺し、ひたすら耐えぬくことができただろう。




 昨晩有紗を姦し損ねた叔父は、脚の間に挟ませて男茎を慰めていたが、バストに手を掛けて先端の乳首を指で摘み捩りつつ、湯舟の縁に足を掛けると浮力を利用して有紗の体を浮かせてきた。仰向けのまま水面から体が出て、瑞々しい肌の上を雫が垂れる。バストの手が下肢に移り、真後ろから脚を取って縁の上に乗せられ、叔父の体に持ち上げられたまま大きく脚を開く格好にされた。開いた脚の間、湯に撓った微毛が飾る丘の向こうに、そこに擦られて淫情を完全に甦らせた男茎がそそり勃っているのが見えた。


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