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笛の音
【父娘相姦 官能小説】

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笛の音 2.-20

 だが、そこで信也の指は有紗のヒップから抜けていった。膝が折れて、トイレの床に崩れ落ちた有紗へ、
「今夜、有紗の部屋に行ってあげるからな?」
 もう一度洗浄ボタンを押して、さっき拭ったトイレットペーパーを流し、そう言い残すと信也はトイレを素早く出て行った。直腸の奥に渦巻く掻痒が満たされぬまま、有紗は便器の渦音轟くトイレの中で悲痛に呻いた。




 見上げ、見返され、暫く見つめ合っていた。明彦が顔を寄せてくるのを待っていた。しかし有紗が目で訴えていても、明彦はなかなか唇に迫っては来なかった。
「……どうしたん、……ですか?」
 じっと見つめ続けられて、有紗は不審になって問うた。
「ん? いや……」
 優しい笑みが消え、明彦が真顔になった。「いいのかな、って思ってさ」
「なんでですか?」
 シャワーを浴びた。抱き寄せられている。躊躇する理由はない。
「前原さんと、……するならさ――」
「有紗、って呼んでください」
「……急には呼べないよ」明彦は困った笑顔で一つ笑ってから、「……君を抱くなら、ま、なんて言うか、言うのもハズいけどさ、愛したいからね」
「愛してくれたらいいじゃないですか」
 存分にどうぞ。もとよりそのつもりだ。
「なら、前原さんにも愛してもらいたい、って思うじゃん?」
 明彦の言葉に有紗は詰まった。そのつもりは――
実は無かった。明彦に愛させることしか考えていなかった。
「……そんなこと……」
「気にすんな、ってムチャ言わないでね」
 明彦は先回りをして、「……生理来た、って言われても、はいそうですか、って思えないよ。……前原部長には『泣かしたら絶対に許さない』って釘を刺されてるし」
 もう一度有紗の頭を抱き寄せると、明彦は髪にキスをした。だが有紗は明彦の手の中にあって、叔父の名前を出されて、
「叔父……、ち、父のことは、それこそ気にしないでください」
 と衝動的に声を荒げた。「も、森さんの家に来て、シャワー浴びて、こうしてバスタオル一枚でベッドに座ってるんですよ? これでしてくれなかったら、私、大恥かきます。泣きます。私が泣いたら、森さんも困るでしょ?」
 一息でまくしたてた。
「……分析していい?」
 有紗のヒステリックな返事に少し間を置いてから、明彦は静かに言った。
「しないでください」
「忘れれるの? 俺としたら」
「やめてください」
「……誰かの代わりとか、すっげー、やなんだけど」
「やめてっ!」
 有紗は明彦を振り払って立ち上がった。ベッドに座る明彦の前で振り返り、バスタオルを取って投げつける。棒立ちで全裸を晒したまま、シャワーを浴びた時に湿って乱れた髪を背に払って、憂えげな睫毛に飾られた瞳を明彦に向けた。
「……私の体、嫌いですか?」
 有紗の投げたタオルを畳み、組んだ膝の上に置いた明彦は真摯な顔で、
「すごい好き」
 と言った。不快ではない。舐め回される悪寒を感じない視線だった。
「私、すごく、モテます。いろんな人にキレイだねって言われます」
 有紗は脚ピタリと閉じて立ち、自分の二の腕を擦りながら、「スタイルも自信、ありますよ、実は。……私だって、したくなります。だめですか? 言い寄ってくる人、誰でもいいってわけじゃないんです。この人なら、してほしいって、ちゃんと思ってます」
 明彦は何も言わず、立った有紗を見守っていた。有紗は言い捨てたあと、息を荒がせていたが、大きく吸い込んでゆっくり吐き出すと、
「……興奮しませんか? 私、じゃ」
 と最後は涙声で濁らせ、詰まりながら言った。
「するよ。惚れてるもん」
「……証拠見せて下さい」
 有紗は明彦が脚を組んで乗せたタオルを指さした。立ち上がるとタオルが落ちる。接待のためにゴルフの練習は必須と言っていた明彦は、ジムでも時々体を鍛えているらしい。明るく和ませる性格のイメージと異なり、腹筋に瘤が見えるほど体は引き締まっていた。太もも、ふくらはぎにも筋肉が見える。そして立ち上がったことで腰に巻いていたバスタオルの前が浮き上がっていた。腰骨の結い目を外すと、先に床に落ちていた有紗のタオルの上にはらりと落ちていった。
「これでいいの?」
 明彦の引き締まった下腹に、男茎は真上を向くほど漲っていた。幹が若干細く見えるがそれは長さがあるせいだ。怒張に合わせて傘を開いた亀頭がビクンと震えている。悍ましくはない。大きい。しかし萎縮してしまうほど神々しくはない。
「……そんなにおっきくして、よく『いいの?』なんて聞けましたね」
「偉いでしょ?」
 明彦が笑うと――有紗も逆立っていた刺が抜かれてぷっとふき出した。「襲いかからないように必死に頑張ってた俺を褒めて」
「襲わないでも大丈夫です」
 有紗はゆっくりと明彦に近づいていった。明彦の逞しい上躯に手を添えると、額を押し付けた。彼の手が優しく肩に添えられる。滑らかな肌に亀頭が触れて脈打った。
「もう一回、言います。……私のことは、気にしないで」
 肩の手が背中に回って抱きしめられた。


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