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夢を見るころ
【女性向け 官能小説】

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金曜日に、もう午後から6時に帰れるように準備を始めて。
その日も新作のトップスを下ろした。
この柄。気に入ってるのよね。

この前と同じく奥の席に陣取って
時計を見ると7時を少し過ぎたころだ。

今日はビールを注文しないで待ってることにした。
ほどなくして篠塚さんが目の前の席に滑り込んできた。

「ごめん遅刻した」

遅刻というほどではないし
外での待ち合わせじゃない。
しかもこんな早い時間に忙しい人をこちらの都合で呼び出してる。
ごめんという彼の気持ちがなんだか優しくてうれしい。

「あ、その服。いいね」

好きな柄を着ているだけ。
でも褒めてもらって悪い気はしない。

「新作なの」
「うん。似合ってる」

そう言うと、私がまだビールを注文していないことに気が付いて小さく笑った。

「生2つ」

大きくそう言って注文すると
スーツの上着を脱いだ。

「無駄に色気があるのね」
私の言葉に驚いたように、まゆを少し上げて、ん?と聞き返す。
「その色気。仕事に邪魔じゃないの?」
冗談めかして言えば、口の端を少し上げて
「まさか。そんなことを思ってくれるのは夢だけ。
仕事での俺を見たり聞いたらびっくりするよ。
冷静で非情な経理の篠塚だと言われてる」

なんていうけど。
それこそ嘘。
だったら、ここで飲んでいるときに
女の子が絡んでくるはずがない。




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