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性少女・絵美
【その他 官能小説】

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性少女・絵美-5

(4)


 初体験といっても予期せぬ突発的な結果である。たしかに絵美の中に入ったのだが、家に帰ってみると、その感触が曖昧ではっきり思い出せなかった。
 ペニスを握り、目を閉じて絵美の局部を浮かべる。薄い陰毛と膨れた裂け目。
(よく見ていなかった……)
覆いかぶさって、気づいたらぬるっと入っていた。……
(絵美の、おまんこ……)
どんなだったろう。
あっという間だった。……でも、したんだ……。
 男になったとか、大人になったなどの感慨はまったくなかった。むしろ性急に終わった行為にもどかしさを感じて、絵美の性器を追い求めていた。

 私は執着した。絵美に、絵美の体に、そして彼女の股に……。

「今度、いつ来ていい?」
「ふふ……いつでもいいわよ」
お互いに初体験をした日、絵美は私を見据えるように言ったものだ。見たところ動揺は感じられなかった。私といえば、足元がおぼつかないほど気持ちのどこかが彷徨っていた。

 私は絵美にのめり込んだ。
「見せて……」
オッパイ、そしてパンツの奥を見たくて会う度にせがんだ。もう小説の話などすることはなかったし、ほかの話題に寄り道することもしなかった。絵美の体にときめき、触れたい一心だった。
「見たいの?」
そう言った時の絵美の表情は私よりいくつも年上に見えた。

 スカートをたくしあげてあっさり下着を脱ぐと膝を立てて股間を開いた。
 まじまじと見る性器は、黒ずんだ陰唇が濡れ光り、美しさとは無縁の不気味なその様相は白い絵美の肉体に巣食って蝕む生き物が取りついているように思えた。だがそこは理屈も思念も超えた魅惑の秘境。
 私は蒸れた肉臭を吸い込みながら舐め回すように妖しい淫口に見入っていた。目を上げると絵美と目が合った。
「男子って、みんなHなのかしら」

コンドームを着けないと入れちゃだめだと言ったのは絵美である。
「妊娠したら困るでしょ」
「うん……」
「こんど買ってきて。今日はだめよ」
「うん……」

 絵美のふくよかな体を抱いているだけで陶酔した。どこもかしこもぷよぷよの肉。頬を寄せ、顔を押しつけてはにおいを吸い込んで肉感に浸った。
 抱き合って、キスをして、口を外した合間に想いを告げる。
「絵美ちゃん、好きだ」
「あたしもよ。松田くん。もっとぎゅっとして。もっと」
ねだるように言うその歪んだ顔はいまにも泣きだしそうな少女の表情である。
 強く抱くと、
(ああ……)
感情の昂ぶりのまま股間を押しつけたズボンの中でペニスが悲鳴をあげる。一気に突き上げてくる射精感を止めることはできず、そのまま放出した。
 私の動きが治まってくると絵美は息を整えるようにじっとしている。そして言うのだった。
「出たの?」
今度は大人びた口である。
 早変わりのような不可解な変化に私は心を歪ませ、しかしそれが魅力だったのかもしれない。

 何度も抱き合っていながら二度目に一つになったのはひと月以上経ってからだった。コンドームを買うのに時間がかかったのである。店で買い求める勇気はなかった。販売機しかない。それでさえなかなか決断がつかなかった。夜遅く家を抜けだし、人通りのない商店街をうろついた。
(誰もいない……)
意を決して販売機に近づくと車のライトが自分を照らすように光った。
『家族計画』という文字を横目で見ながら歩きすぎる。控え目な灯りが妙に明るく感じられたものだった。

 初めてコンドームを着けた時のことは忘れられない。
私の部屋であった。何かの事情で家族が留守になるので絵美を誘ったのである。

 部屋に入るなり、絵美が抱きついてきてそのまま床に倒れ込んで食いつくようにキスをしながら転げ回った。
 言葉はない。胸を見ようとTシャツをたくしあげると絵美は自らホックも外さずブラジャーを捲った。
 乳首に吸いつくと絵美は呻きをあげながら私の頭を抱え込んで悶えた。彼女が全身をぶつけるように反応をみせたことに私の昂奮は増幅した。

 スカートをはだけ、パンツを引き下ろした。太めの腰回り、太もも、絵美も寝たまま尻を浮かせてくれたが、手間取った。
 気が急いていた。下半身裸になった私は絵美に背を向けてコンドームを宛がった。だがかぶさらない。押しつけると刺激を受けて危うくなってくる。
 絵美が起きてきて覗いていた。
「入らない?」
「……うん」
見ていた絵美が顔を寄せて、
「反対じゃない?」
「……そうだ」
逆に当てて引くと幹に半透明の膜が広がった。
 途中でよじれた時、絵美の手が不意に伸びてきて幹を掴んでぐいと引いた。限界が迫っていた敏感な裏筋が悲鳴をあげた。

「ああ!出る!」
どっと射精した。
「ああ!」
うずくまったのは発射の反動でもあったが、絵美に見られたくなかったからでもある。手で被い、さらに背を向けた。

 痙攣がおさまると絵美の顔が横にあった。
「あたしが触っちゃったから?」
「……うん……感じちゃった……」
気まずい想いに被われた。
「ごめんなさい……」
ちょっと唇を尖らせて言った絵美はいつの間にか正座になっていて、尻が横に張り出し、太ももも一段と太く見えた。

「あ……」
絵美が目を丸くして、
「先っぽ、面白い」
しおらしい顔が好奇の表情に変った。
 コンドームの先端に精液がたっぷり溜まって半勃起のペニスから垂れていた。
「出たやつがそこに溜まるんだ」
私も着けたのは初めてである。二人して眺めているうちに何だか和やかになったのを憶えている。


 

  


 



 


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