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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 淫具 〜-1

〜 淫具 〜

 甘い、というよりはむしろ生々しい香りが漂う教室で、一様に肩で息をする少女たち。
 先刻までの自慰で達したものは、疲労の中に一抹の落ち着きをみせる。
 最後まで股間をまさぐらざるを得なかったものは、掻痒感で頬を赤らめている。
 そのうえでみんな表情は硬い。 私の指示がどういうものか彼女らに分かるわけがないが、優しさや慈しみと無縁なことは、おおよそ見当がついているだろう。

「22番」

「! ハイ!」

 さきほどのマスターベーションで真っ先に達した22番に水を向ける。 
 22番の動きには無駄がない。 他の生徒が私の指示に対して戸惑ったり、自分以外の生徒がどう反応するか様子をみるような場面でも、率先して行動し、その行動にズレが少ない。 つまり、私の意図を比較的正確に理解しているし、また理解しようと努めている印象があった。

「マスターベーションの基本的なやり方を復唱しなさい」

「ハイ! 説明させていただきます! まず初めに、んっ」

 ピィン。

 小さく息を呑み、頭の後ろに回した両手を離して股間に当てる。 左右から大陰唇を、皺ひとつないまでにビッチリ広げる。 小指、薬指で大陰唇を伸ばしたまま、中指で内側の厚ぼったい肉壁をかき分け、膣口の襞を外気にさらす。 
 毛がすべて刈り取られた柔肌の中で、濃いピンク色に赤身ががった――私は『肉色』と呼んでいる――粘膜が盛りあがっていた。 中央にはパックリ開いた内臓。 白く濁った粘液を、こぼれそうなばかりに湛えていた。

「淫らではしたないインチツを開きます!」 

 顔をあげ、股を開き、目を逸らさず、腰をつきだしてハキハキと答える22番。

「続いて――」

 テロン。

 親指と人差し指でクリトリスの包皮をめくる。 さっきまでいじり続けていた突起は出血を見まごうばかりに充血し、突起というよりはそら豆ほどに勃起していた。 親指、人差し指を突起に添えて、支えるようにもちあげた。

「はしたなく勃起したクリマメをしごきます! しごいている間、自分がインチツをいじらせていただいていることに感謝と、みっともない姿を晒していることの反省を込めて、口頭で『クリクリ、スコスコ、クリスコスコ』と、報告をさせていただきます!」

 澱みなく答える22番に、私は小さく頷いた。
 
「宜しい。 では、第3姿勢を維持し、マスターベーションする場合どうすればいいか答えなさい」

「えっ……それは、その……」

 はじめて22番が口を噤んだ。 
 無理もない。 なぜなら少女は知らないのだ。 私が教えていないのだから、知るはずがない。
 頭の後ろに手を組んで、がに股のまま腰をおとす第3姿勢。 手が頭の後ろなのだから、手淫という方法は取れない。 

「はやく答える」

「……」

 視線を泳がせる22番。 助けを求めるように両隣をチラリと見る。 しかし周囲は誰も22番と目を合わせようとしなかった。

「はやく」

 答えられるわけがなくても、私は尋ねる。
 22番がどう答えるか。 謝るか、誤魔化すか、沈黙するか。
 おそらくは沈黙だろう。 何を言っても無駄だ。 私は絶対に揚げ足をとる。 だったら、自分の保身を考えれば黙っているのが得策だ。

「……あの、いままで第3姿勢で絶頂させて頂いたことがありません。 自分で考えることができないインチツに、ご指導の慈悲をお願いしても宜しいでしょうか」

「今から?」

「ハイ! もし教官さえ構わなければ、今、この場でお願いします!」

 少し驚いた。 
 いかにも私を忖度(そんたく)しそうな態度が鼻についたので、もしも黙ったまま何も出来なければ、適当に難癖をつけようと思っていた。 いやいやどうして、22号の発言は中々の態度であり、悪くはない言葉遣いだ。 この応対を不十分とするなら、今後すべての対応に赤点をつける羽目になる。

 寄り道はやめて、予定通り進めるとしよう。 


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