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鬼畜の愛
【ロリ 官能小説】

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鬼畜の愛-7

 その日から絶えず胸がざわめくような落ち着かない日々が続いた。時として、疼く感覚が明確になったのはこの頃である。宮部を想う時、亀裂に潤いが滲むのがわかるようになった。
 悶々とした宮部に寄せる想いであった。
(いつ帰ってくるのか……会いたい……)
そこに切なさのすべてがあった。そんな異性を慕う心の揺らめきは初めて経験する感情である。
 一日一日と待ちわび、淋しくて彼の衣服に顔を押しつけて泣いたこともあった。

「宮部が帰った日、あたしは玄関まで走っていって宮部に抱きつきました。涙が止まりませんでした」

「文香さん、どうしたの?」
強く抱いてくれると思っていたら背中を叩くだけ。自分の感情の高ぶりが肩すかしを食ったようでさらに涙があふれてきた。
「遅い、帰ってくるの遅い」
「十日くらいって言ったでしょ」
「だって一人で淋しかった」
「そうか。ごめんね。勉強はちゃんとやった?」
「出来なかった……」
「それはいけないね」
「だって……」
「わかった、わかった。また一緒に勉強しようね」
頷いて見上げると宮部の笑顔があった。

「今夜は泊まる。宮部と一緒に寝るんだって内心昂奮して思いました。そしてまた体中を触ってもらう。オナニーの絶頂感が甦ってあたしは彼に言いました。今日、泊まるよ。宮部も同じ想いのはず。だって十日も会っていなかったのですから」

 宮部の言葉が風のように通り過ぎた。
「文香さん。今日は疲れてるからうちに帰って」
穏やかな眼差しではあったが笑顔は消えていた。
(なぜ?……)
思いながら何も言えなかった。ただ、縋るように宮部を見つめると、
「疲れてるんだ。明日は仕事があるから、勉強は明後日だね。待ってるよ」

「突き離されたような想いでした。旅行から帰ったばかりで疲れている。明日は仕事。一つ一つをとってみれば仕方のないことなのに、限界まで待ちわびていたあたしにとっては嫌われたように気持ちが落ち込んだものです。夜、触れもしないのに花びらは蜜に満ち、疼きに堪え切れず、あたしは指を埋めて貫く快感に弓なりになって声を上げていました」

 二日後、包み込むような温かさをもって宮部は迎えてくれた。
「文香さん、少し大人になったみたいだね」
(そうかもしれない……)
宮部がどういう観点で言ったのかはわからないが、性的欲求を自覚するようになった今、自分は大人になりつつある変化の途上にあることはまちがいなかった。

「久しぶりに体を洗ってもらう手の動きはもはや愛撫としてあたしは受け止めていました。それほどどこもかしこも沁み入るような快感が走ったのです。彼のペニスを握ったのはその時です。意を決してそうしたのではなく、気がついたら掴んでいたんです」

 宮部は落ち着いていた。じっと見つめた目は笑っていなかったがやさしい色があった。
「洗ってくれるの?」
「はい……」
「じゃあ、お願いするよ」

「なんという不思議な硬さなのだろうと思いました。握った手に伝わってくるのは筋張っていて弾き返してくるほどなのに、温かくて柔らかさも感じられる。それに宮部の体の一部であるのに別の生き物のようにも思えました」

(これが、入るんだ)
性交のことは知っていても信じられない。それほど大きく見え、そそり立つ様相には圧倒された。中でも先端の膨らみは赤黒くてぱんぱんに張っていた。なのにやわらかい。
(だから、入るのかな……)
そんなことをふと思い、自分の性器に刺さる場面を想像してもその状態が浮かばなかった。
  
「あたし、今日ここに泊まる」
宮部は黙ったまま何度も頷いた。脈打つ肉茎に呼応するように自分の股間もズキズキと熱をもってきていた。

「その夜の愛撫はあたしをさらなる性の深みへいざなうような、濃厚なものでした。とろとろと体が溶けてしまうかと思ったものです。口付けでは自然と舌が伸び、絡み合わせる快感を知りました。促されるまま後ろを向き、お尻を抱えられて、蕾と花弁に舌が這い、ときおり先が突いてきました。力が抜けていくのに体は快感に翻弄されて動きがとまりません」

「いや、いや、だめ」
酔いしれながら逆の言葉を口走って股間を突き上げてのけ反った。
(入れて、入れて!)
混乱をきたした頭で叫んでいた。

「意識が飛んだのはほんのわずかだったと思います。気がつくと宮部の低い呻きが響き、あたしのおなかや胸に夥しい精液がほとばしりました。宮部は体を震わせながらペニスを扱き、恐ろしいまでに顔を歪めて言ったのです」
「君はぼくのものだ……」

「飛び散った精液を指に取り、においを嗅ぎました。むせるような何ともいえないにおい。あたしが気だるい微笑みを見せると宮部も同じように微笑みました。それから抱えられてシャワーを浴びながらなんで入れてくれなかったのだろうと考えました。ふと思ったのは、あたしがまだ中学生だったから……」
(大事にしてくれたんだ……)
宮部の心を想い、浸った。

 翌日の昼前、家に帰ると母が起きて着替えていた。いつもはもっと寝ている。それににこにこ笑って機嫌がいい。
「朝ごはんはごちそうになったの?」
「うん……」
宮部の家に泊ったことを知っている。黙って泊ったのに何も言わない。それどころか、
「宮部さんの家は広くていいでしょう。泊めてくれるって言ったら遠慮しないで泊めてもらいな」

「あたしが宮部とどんなことをしていたか。後ろめたい思いが胸に渦巻いてあたしはぎこちない笑いを浮かべていました」

「お母さんね。仕事辞めたの。しばらくゆっくりしようかと思ってね」
仕事を辞めたら、どうなるのだろう。子供ながらに『生活』のことをふっと考えた。
「他のお店に行くの?」
母は妙にねっとりした笑みを浮かべただけで何も答えなかった。
 




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