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ゆえとナオさんpart5
【同性愛♀ 官能小説】

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美さきちゃんのテレポート能力考察-1


「ムムム…」
リビングの床に座って、
美さきちゃんが目を閉じて集中します。
私と片方の手をつないでいて、
もう片方の手はナオさんとつないでいます。
美さきちゃんの膝の上ではジャムが、
何事か?と見上げています。

「ギニャン!?」
「「わっ!!」」
いきなり隣の寝室の、ベッドの上に移動しました!
美さきちゃんのテレポート能力です!
ジャムも驚いて、寝室から飛び出して行きました。

「すっ、凄いわねぇ〜。本当に一瞬で移動できるんだ。
どう?
分身の術の時みたいに、頭がおかしくならない?」
「全然平気…まだ大丈夫そう…」
「まあ、今日のところはいいわ。お茶にしますか?」
「はい」

リビングに戻って、お茶菓子をつまみます。
ジャムには今日はイチゴジャムとミルクをあげます。
「ぃよぉし!
美さきのテレポート能力について考察するわよ。
解らないところは訊いて。
説明することで分かることもあるから」
「「はい」」

「先ずは、
美さきは行ったことのある場所には行けるのよね?」
「あい…」
「知ってる人のそばにも行ける、と」
「あい…」
「距離は関係無い」
「あい…」
「以前、
『よく見る、とてもよく見る』とも言ってたわね」
「あい…」
「で、
異世界人は、私たちと違う数体系世界の住人だ、と」
「はい、そう言ってました」

「私が考えるに、
これは『量子テレポーテーション』ではないか?、と」
「漁師?魚と関係があるんですか?」
「いやいやいや。量子力学っていうのはね、
物を構成する原子や分子や素粒子の働きを、
表そうとする学問なの」
「はい」
「で、異世界人達は、
美さきが移動したいとイメージした物を、
超高速でベル測定して、
遠隔地に再構成しているのではないか?、と」
「えーっと、『超高速でベル測定』ってところが、
『よく見る、とてもよく見る』ってとこですか?」
「そうよ。回転いいわね」
「でも、なんでそのちっこいのを調べると、
離れた所に現れるんですか?」
「量子力学では、
量子もつれの関係にある2つの量子のうち、
一方の状態を観測すると、
瞬時にもう一方の状態が確定する場合を、
許しているのよ」
「いよいよわからん…」
「いい?例えると、
離れた場所に二枚のオセロの石があるとするわね」
「はい」
「で、これらはそれぞれフタがしてあって、
石が白か黒かは分からない」
「はい」
「片方のフタを取って見て、白だったとすると、
相手の石が自動的に黒に決まるのよ」
「ありえない…」
「でも、実際に量子テレポーテーションの実験は、
高い確率で成功しているのよ。
もちろん、物を移動させることはできないけどね」
「そうですよねぇ」
「でも、量子もつれの状態の量子情報を送れるのなら、
量子コンピューターのように、
大量のデータを処理できる連中なら、
テレポートも不可能では無いのかもしれない。


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