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爛れる月面
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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3.広がる沙漠-19

 離れて暮らすまでは滅多に言わなかった甘えの言葉に、徹は胸を震わせて紅美子を抱きしめ、何度もキスをしてきた。
「……シャツ、グロスついた」
 徹の肩口に赤い痕が残っている。「徹のお母さんに怒られる」
「怒らないよ。クミちゃんだもん」
「じゃ、もっとつける」
「いいよ」
 徹が言うと、紅美子は首筋に吸い付いた。徹は壁に凭れたまま、首筋を襲う艶かしい感触に震えている。ジーンズの上から手を添えると、もう中は突き破りそうなくらいに固くなっていた。徹の手が紅美子のヒップの方に降りてこようとすると、
「だめ」
 と言って身を引いた。
「ど、どうして?」
「私がしたい。……徹は私が言うとおりにして」
 ベルトを外してやり、ジーンズの前を開く。形を浮き出しているブリーフの前を、爪先で下から上に、触れるか触れないかくらいの手つきでなぞると、徹はうめき声を上げて脚をガクッと折って腰が落ちそうになるのを必死に耐えた。 「そんなっ……」
「イヤなの? やめる?」
「……やめない……。でもっ」
 徹は潤んだ瞳で見上げる形になった紅美子に縋った。「お、俺もクミちゃんに触りたいっ……」
「触りたい?」
「うん……、ガマンできない」
「ガマンして」
 紅美子は真上から徹の唇を吸い上げて、舌をこじ入れた。徹が溢れさせる唾液を音を立てて啜り、ブリーフの中に手を入れて勃起を外に連れ出す。先端を握りこみ、親指の腹で噴出口から溢れ出る透明の雫を傘にヌルヌルとまぶすと、更に雫が溢れ出してくる。
「ああっ……、んあっ……、ク、クミちゃんっ……」
 徹の瞳をじっと見つめて、逆手に持ち替えるとヌチュッ、ヌチュッと音を立て、徹が決して百パーセントの快楽までは得られぬよう注意した指使いで男茎を扱く。
「裸、見たい?」
「見たい……」
「ヤラしい」紅美子は笑ったあと真剣な眼差しで刺して、「私の体じゃなきゃ、ダメだよね?」
「う、うんっ。クミちゃんじゃなきゃ嫌だ」
「じゃ、脱がして」
 徹は震える手でカットソーを捲り上げ、紅美子の首から抜き取っていった。袖を抜く時にいっとき手を離したが、髪をハラハラと落としながらカットソーが取られ、下着に彩られた麗おしい肌身を晒すとすぐにまた先端を握りこむ。徹は何かに追われるように忙しなくバルーンスカートの腰を緩めて足元に落とした。眼前に狂おしい程の紅美子の裸体が聳えると、握った男茎の先からピュッと先走りの汁が飛んで紅美子の横腹を汚した。
「すっごい……」
「あう……、ご、ごめん」
「……見て、徹。もっと」
 虚ろな瞳で見上げられる。昨日の名残であるショーツのシミは気にしなくていい。もうヒップの割れ目が始まる後ろまで、ここに来る途中で溢れさせた雫で汚してしまっている。
「私、どこも変わってない?」
「う、うん……、す、すごくキレイ。ずっと、キレイだよ……」
「実は太ったんだ。……ウソだけど」徹の鈍感への失望を嘘でごまかしながら、「おっぱいは別にいいんだ?」
「……あ、……あっ……」
 徹は慌てて口をパクパクさせて、「み、見たいっ……」
「だって、外してくれなかったもん」
「だ、だって……」
「私の機嫌なおしてくれなきゃ、取らない」
 シャツを着たまま下半身を露出させ、力が入らない膝で壁に必死に背を押し付けて尻もちをつかないように頑張っている徹を愛おしく見下ろし、紅美子はその美しいバストを誇るように背を反らすと、片手を後ろに回してホックに指をかけた。「はやく」
「すごく、……キレイだよ」
「それだけ?」
「ううっ……、好きだ。大好き……」
「ヤラしくてもいい?」
「あうっ……、いい」
 紅美子は自分の背に両手をかけたまま、頬にこぼれた徹の涙を舌先で舐め上げた。 「いい、なんて、エラそうだ。……私がヤラしくても、許してあげる、ってことなんだ」
 顔を離さず、そのまま近くで睨みつける。
「いや、ちがっ……、ちがうっ……」
「じゃ、何なの?」
「ううっ……、ヤラしいクミちゃんが、いいっ……」
「ほんと?」
 ホックを外して肩紐を緩めた。はらりと落としたブラが徹の勃起に引っかかる。
「み、見えない……」


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