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隣人
【その他 官能小説】

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その(6)-3

 亜希子は女上位の体位が好きだった。いきり立ったペニスを納め、好きなように動き、時には静止して充溢感を感じ、その一体感をゆっくり味わうのがたまらなかった。会話を交えて時間をかけ、互いの愛撫で高めていくのである。

「いいわ、とてもいい……」
「相変わらず締め付けがうまいな」
「あんたのも硬くて大きい」
仰向けの田之倉は煙草を喫いながら身動きせず、亜希子の脂ののった体を見上げている。

「それで、いつ会うの?」
亜希子は腰を煽りながら言った。
「明日か、明後日か。いよいよ決着だ」
「時間かけたんだから慎重にね」
「もう大丈夫だ。お前の亭主、電話の声が震えてたぜ」
「脅かしたらまずいわよ」
「心配すんな。丁寧にお話するよ。亭主、あといくら持ってるんだ?」
「千五百万はあったわ。五百万引き出してた」
「結衣も思ったより手に入って喜んでたよ」
「あの人、すごいのね。役者というか、感心する」
「あいつはプロだからな。いまはホステスだが、ソープにもいたことがあるし、ロリ系でAVにも出たことがあるんだ。かなりテクニックはあるな」
「あんたも抱いたの?」
「バカ。俺はむちむちが好みなんだよ。この肉付きがたまらないんだよ」
田之倉が亜希子の尻を抱えて突き上げてきた。
「あう……待って、久し振りなんだから、ゆっくり」

「いくら引き出すつもり?」
「全部だ」
「全部?」
「慰謝料じゃそんなには取れないが、職場に顔を出せばおそらく言いなりになるだろうな。小出しに要求したら恐喝まがいになるからな。いま一気にやったほうがいい」
「そしたら少しあたしにもちょうだいよ」
「わかってる。お前からやつの隠し預金のことを聞かなかったら出来なかったことだからな」
「また二人で温泉来ようね」
「ああ。何度でも来られるぜ。マンションの家賃や経費を差し引いてもたっぷり余る」

「あの人、まだ結衣さんのこと想ってるんでしょうね」
「そうだろうな」
「かわいそうな人」
「お前、離婚して俺と暮らすか?」
「それはないわ。だって一生食いっぱぐれがないんだもの。だから結婚したんだから。いままで通り、適当に。それが一番。そうでしょ?あたしのヘソクリ、けっこう貯まったのよ。これからもっと貯めるんだ。ふふ」
「しかし、隣の部屋ってのは何かと効果があったな」
「そうね。何かとね。だけど、夜、聴こえるのよ、ベランダに出ると。なんか変な感じだった。自分の夫と他の女が……」
「妬けたか?」
「そんなんじゃないけど……」
「同じマンションならどこでもよかったんだけどな。たまたま空いてたから」
亜希子の動きが速くなって息が弾み出した。
「偶然隣になったのね」
「そうだ。男と女も偶然知り合うんだ」
田之倉の一物が突き抜けるように亜希子を押し上げてきた。


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