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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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修羅場の後始末-5

「さあ、皆さんも付いて来て下さい」

優子と由香里は顔を見合わせると、取り残されないように素早く星司の後を追った。

手島は抑えつけていた徹夫の腕に力を込めた。

「ひいいい!ゆ、許して下さい」

目の前で修羅場を見せつけられた徹夫は、慌てて手島に懇願した。

「そんなに大声で言わなくても聞こえてるよ。いいか、許して欲しかったら、お前はこいつをスタジオに運ぶんだ。変な真似をしたらどうなるかわかってるだろうね」

手島は横で股間を押さえて呻る祐治を顎で示してから、徹夫の腕をそっと離した。

自由になった徹夫はしばらく痛そうに腕をさすっていたが、手島の冷めた視線に気付くと、直ぐ様祐治の肩を担いでスタジオによろよろと歩いた。

それを見届けた手島は、今度は股間を押さえてうずくまる田代の肩に手を掛けた。

「さあ、あんたもスタジオに行くんだ」

その瞬間、田代は豹変した。自分の肩に手を置いた手島の腕を素早く取ると、隠し持っていたアイスピックを手島の喉元に突き付けた。匕首や拳銃と違ってアイスピックなら何とでも言い訳は立つ。田代はそういう理由で若い頃からこれを愛用していた。

「くっ…。て、てめえら、調子に乗りやがって」

田代が苦しそうな声を絞り出した。

「あちゃあ、油断しちゃったかな。かっこわり〜」

田代の脅しに対して、手島は全く緊迫感が無い声を出した。

「てめえ、ふざけやがって!」

手島の態度に一瞬激昂しかけた田代だったが、寸でのところで我慢した。田代は手島の後ろ手を取り、喉元にアイスピックを突きつけて、星司達に落とし前を付けるべくスタジオに向かった。

田代が開け放たれたスタジオの前に立つと、先ず初めに目に付いたのは、折れた腕を押さえながら苦悶の表情を浮かべている浅見だった。その横に祐治と徹夫が正座をしながらうな垂れていた。

優子は由香里の用意した服を着始めていて、由香里はスカートの中に入れた手で股間を弄りながら、スタジオの中を興味深そうに観察をしていた。

そして星司は、スタジオの入口で手島にアイスピックを突き付ける田代を、冷めた目で見つめていた。慌てた風もない星司の落ち着きようは、まるでこの事を予期したかのような態度だった。

「マスターごめん。捕まっちゃった」

手島が悪びれる風もなく謝った。その手島の態度と、星司の視線が田代の感に触った。

「てめえら、S組を舐めてんのか。無事に帰れると思うなよ」

「お前の方こそ大丈夫か」

「なにっ!」

星司の予期せぬ言葉に、田代は声を荒げた。そこに一瞬の隙が生まれた。手島はその隙を突いて、アイスピックを持つ田代の手を掴かむと、そのまま逆手に捻った。

「くっ、は、離しやがれ…」

捻られた田代の手からアイスピックが落ち、それを手島が星司の方に蹴りだした。田代から視線を切る事の無い星司に代わって、服を着終わった優子がアイスピックを拾って後ろ手に隠した。

その元気な優子の様子に手島が微笑んだ。

しかし田代には容赦はしなかった。手島の捻りが間接の許容範囲を超え、田代の体はでクルリと宙を一回転した。ドサリと落ちた田島の手を、手島はそのまま後ろ手に捻り上げた。

「う〜ん、汚名返上、名誉挽回、オレってカッコイイ♪」

誰も何も言いそうにないので、手島は自分を褒めた。


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