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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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修羅場の後始末-6

「くっ…、て、てめえら、覚悟できてんだろうなあ!後で詫びを入れても許さねえ。逃げても見つけ出してぶっ殺してやるからな!」

田代は屈辱的な姿勢で腕を決められながらも、強気の姿勢は崩さなかった。

「誰が逃げるって言った?要するにお前らに見つからないようにしたらいいんだろ。簡単じゃないか」

手島は田代の耳元に、今までと打って替ったドスの効いた声で凄んだ。そのギャップが田代をゾクリとさせた。

「ま、まさか、てめえ…」

驚く田代に手島は追い打ちを掛けた。

「優子ちゃん、そのアイスピックを貸して。こいつも自分の獲物で死ぬなら本望だろうし」

優子はアイスピックを後ろ手に隠しながら星司の顔を見た。星司は優子の視線を受けてコクリと頷いた。

あうんの呼吸で理解した優子はそれでも怖々と手島に近づいた。そして神妙な顔で手にしたアイスピックを手島に手渡した。手島は受け取ったアイスピックを指を使ってクルクル器用に回すと、使い勝手を確かめるように、2度3度と握り直した。

「この人はおっぱいを一回捻っただけだから、苦しまないように殺ってあげて…」

優子は冷めた目を田代に向けた後、今から始まる修羅場の声が外に漏れないようにスタジオの扉を閉めた。

「おい、うそだろ!や、やめろ!」

「やめて下さいでしょうが」

手島がアイスピックを田代の頬に突き立てた。少し勢いが余って、田代の頬肉にアイスピックの尖端が突き刺さった。

「うっ…」

「動くな!動くと手元が狂って苦しむ事になる。心臓目がけて一気にいくから安心して死ね」

狂気を醸しだすような手島の軽い口調がスタジオに響く。この極限の状態の下で、祐治と徹夫が限界に達した。殺人を犯した者が自分達を見逃すとは思えない。田代の次は自分達だ。そう思った2人は頭を抱えて号泣し出した。

「うわあああああああああああ」「いやだああああああああああ」

「きゃ、この子たちおしっこ漏らしちゃったわよ。もうやだあ、2人とも幼稚園の子供みたい」

2人の号泣と呻き続ける浅見の声、それときゃあきゃあと騒ぐ由香里の声が田代の神経をすり減らしていく。田代は俯いた姿勢で「はぁ、はぁ」と浅い呼吸を繰り返した。

星司はそんな田代の様子を見ながらにゆっくりと近づいた。そしてその肩に手を置いて声を掛けた。

「助けてやろうか」

田代はゆっくりと顔を上げた。そして星司の冷めた目を見て田代の肝が据わった。

「な、何抜かしやがる。殺るんなら早く殺れよ」

「ほほう、S組の次期の若頭となる人は覚悟が違う」

星司はわざとらしく感心したような声を出した。

「てめえ何モンだ。どうしてそれを知っている」

星司が組員以外は知らない次回の人事に触れたので田代は驚いた。

「S組もついに武闘派から経済重視に路線を変更するんだってな。その舵取りにフロント企業に繋がりの深いお前が抜擢された。S興産、F企画、L不動産、SS興業、この企業舎弟を裏で仕切ってるのがお前だ」

田代は目を見開きながら、S組の内情をスラスラと話す星司の言葉を聞いた。

「て、てめえ、どうやって…。S組をどうしようってんだ」

「どうやって調べたかは知らない方がいい。そもそも私はS組の内情に興味はない。私の興味はこいつら…」

星司は右腕を押さえる浅見と、意識のない啓太を顎で示して続けた。

「特にこの2人によって、これ以上女が不幸にならないようにしたいだけだ。もちろんS組にもそれの協力をして貰う。それを約束すれば、お前の命は助けてやろう」


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