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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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修羅場の後始末-4

「お…前…、だったのか…」

星司は言葉を絞り出した。

「あ゛、何だって?」

「お前、悠子という名の女を知ってるだろ?」

さっきまでの淡々とした様子から、ガラリと雰囲気を変えた星司が浅見に聞いた。

「ゆうこ?何抜かしてやがる、優子はその女だろうが。いてて、離しやがれ!」

その名前に反応しない浅見に、星司は別の名前を出した。

「名前も忘れたのか…。では、幸田美咲なら覚えてるだろう」

「こ、幸田美咲だって…、お前、美咲を知ってるのか?」

思いがけない女の名を出された浅見は、身動きの取れない状態にも関わらず、驚いた顔を星司に向けた。浅見の視線が暗く冷たい星司の視線と絡んだ。

「ヒッ!」

浅見は星司のゾクゾクする雰囲気に、今までに感じた事の無い恐怖を覚えた。

「み、美咲は日本に居ないぞ!美咲に用が有るならオレが繋いでやる。だから離しやがれ」

浅見は恐怖の素を断ち切るために、体を動かそうと足掻いた。しかし星司はそれを許さなかった。

「ああ、あの女が日本に居ないのは知っている。そして来月留学先から帰国する事もな。しかし美咲を優先する余りに、お前の情報収集が疎かだった。早くお前を知っていれば、不幸な女が増えなかったのに。私は自分の殻に綴じ込まっている間に、取り返しのつかない事をしてしまったようだ」

星司はつい最近知った情報を口にしながら、捻り上げた浅見の右腕に遠慮なく力を込めた。

「な、何をゴチャゴチャと言ってるんだ。ワケわかんねえぞ」

「これはお前に苦痛を与えられた女達の恨みだ」

浅見がさっき感じた恐怖は、そのまま形として自身の体で味わう事になった。

ボキッ…。非日常的な骨の折れる音がエレベーターホールに響いた。

優子と由香里はその音の生々しさに目を瞑り、手島は痛そうに顔を顰めながらも、ヒュウッと口笛を吹いた。

「ぐああああああああ」

浅見は自分の折れた右腕を押さえて、激痛の余りにのたうち廻った。

「いでええ、いでえええよううう」

手島に抑えつけられて、それを見ていた徹夫はブルブルと震えだした。

優子は星司の乱暴な行為に衝撃を受けたが、浅見に甚振られた女達の事を思うと、やられて当然と思う事にした。中途半端な状態だと悲劇は繰り返される、そう自分を無理矢理納得させた。

「少し煩いですね。近所迷惑になるからスタジオに入りましょうか」

星司は何事も無かったように、また淡々とした雰囲気に戻って言った。しかし、やる事に容赦はない。痛がる浅見の髪を鷲掴みにすると、強引に引っ張って引き立たせた。その拍子にブチブチと数十本の髪の毛が抜けた。

「ぐわああああああ」

浅見は新たな痛みで雄たけびを上げた。しかし星司はそれに構う事無く、自分の放った蹴りで意識を無くした啓太を軽々と肩に担ぎ上げると、浅見の髪をもう一度掴んでグイグイとスタジオに向かって引っ張っていった。

「ぐうっ、ぐああああああああああ」

浅見は髪を引っ張られた前のめりの状態で、星司の後を付いて行くしか無かった。

星司はスタジオに向かいながら、浅見と対照的な物静かな声で言った。


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