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花の咲くころ
【女性向け 官能小説】

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「花。悪い。どうしても社に顔を出さないとダメみたいだ。
今電話で説明したんだけど、間に合わない」
電話を終えて申し訳なさそうにあたしに謝りながら近づいてきた。

「いいよ。行って。あたしぶらぶらして帰るよ」

仕事なら仕方ないもんね。
そう思って駿ちゃんを送りだそうとしたら
博之先輩が「んじゃ、俺と一緒に映画見るか?」と言いだした。

「え!良いですよ」

そんなデートについて行くほど無粋じゃないよ!
そこまでして見たい映画でもないし。

「いや。良いじゃん。楠さん良いですよね?」
博之先輩はあたしの手を取って爽やかな顔で笑ってるけど。
目が笑ってない・・・

「花は?どうしたい?」

「大丈夫。雅哉も来るから。邪魔にはならないよ」
そんな風に博之先輩は小声であたしに耳打ちする。
ここで、帰ると言ったら駿ちゃんは昨日の事もあるから
あたしに気を使っちゃうかな。

「先輩と映画に行ってくる」
「・・・・・分かった」

「本当にごめん」と言ってそのまま駿ちゃんは仕事に向かった。

「楠さんって忙しいんだな」
「うん。ほとんど休みないよ」
「会社どこ?」
「横浜ホールディングって知ってる?」
「え?雅哉と同じじゃん」
「ええ!雅哉先輩は横浜ホールディングなの?」
「そう。あいつ、ああ見えて優秀だから」
「そうなんだ・・ただのシスコンじゃないんだ」
「今から会うから言ってやろう!」

そう言って大笑いした後にあたしたちは映画館の待ち合わせ場所まで行った。
博之先輩の彼女と雅哉先輩がそこで待っていた。





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