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花の咲くころ
【女性向け 官能小説】

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「でもビックリした。俺らの中で1番女の子に興味がないって顔してる楠が
同棲してるなんて」
野口さんは爽やかな笑顔でクスクス笑った。
「まさか、花ちゃんを隠してたなんてなぁ〜」
隠してたわけじゃない・・・・けど。

そんな時。野口さんの後ろから綺麗な女の人が歩いてきて。
「野口。社の近くでナンパなんかしない!」
パコンと野口さんの肩をたたいた。
あ。夢ちゃんタイプの人だ。

綺麗にスーツを着こなしていくらパンプスで歩きまわっても疲れないってタイプの人。

「いってぇ。半田!手加減しろ!」
「ナンパしている方が悪い!」
「ナンパじゃない。見て。この子可愛いだろ?楠の彼女」

野口さんがなぜか自慢げにあたしを女性に紹介した。

「えええ!あのカタブツの楠の彼女?この子が?」
「あ。永坂花です。いつも駿ちゃんがお世話になっています」
「駿ちゃん!!!」

その女性はあたしが呼んだ「駿ちゃん」と言う呼び方にハマったようで
何回も「楠が駿ちゃん!」と大笑いしていた。

「だろ?ビックリだろ?あの楠がこんな可愛い子に『駿ちゃん』とか
呼ばれてて、デレデレなんだぜ?」
「凄い!凄い!いいもんみた!」
と大声で豪快に笑う感じも夢ちゃんに似ている。

こんな人が、駿ちゃんと同じ職場にいるんだ・・・・

「花ちゃん、楠と待ち合わせ?」
「い、いえ!映画を見に来ただけです」

「ん?楠、今日も出社してんの?」
と半田さんが野口さんに確認してる。
「らしい。俺もまだ社の方には顔出してないから」
「そっか。って、私たちもか。ごめんね花ちゃん」
「いえ」

綺麗な顔であたしに笑いかけてくれるけど
その顔から思わず目をそらしてしまった。




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