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花の咲くころ
【女性向け 官能小説】

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駿ちゃんが買い物に連れて行ってくれると約束した土曜日は
朝一番で電話が入って
「悪い」と
仕事に出かけてしまった。

駿ちゃんは仕事中毒だと思う。

「花、一人で買いに行く?」と聞かれたけど。
何かを買ってほしい訳じゃない。
駿ちゃんとデートの口実が欲しかっただけだ。

だから「今度で良いよ」と送り出した。

あたしはぶらぶらと映画を見に行こうと決めた。
違う!と自分で自分を否定してみるけど。
駿ちゃんの職場の近くに行って
お昼休みにでも偶然会えないかな。なんて期待してる。
そこで会えないとしても。
「早く終わったから一緒にご飯でも食べよう」って電話でも入らないかな。
なんて期待してる。

そんなに上手くいくわけないでしょ!って
自分を否定してみるけど。
それでも映画館なんかどこにでもあるくせに
あたしは迷わず駿ちゃんの職場近くの映画館に行く。

ぶらぶら歩いてるところで
「花ちゃん?」
と声をかけられた。

「あ・・・(確か)野口さん?」
「あ〜!やっぱり。昨日はいきなりごめんね」

スーツを着ているところを見ると。
野口さんも今日は休日出勤ですか。
みんな良く働くなぁ。
たぶん夢ちゃんも出勤していると思う。

「一人?ってもしかして楠も出社してるの?」
「あ、はい」
「そっか。今、手が離せないプロジェクト組まされてるんだ。分かってやってね」
「はい」




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