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花の咲くころ
【女性向け 官能小説】

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そのあと、野口さんと半田さんとは別れて
映画館に入ろうとしたところでメールが入った。
「花、ごめん。今日部長と主任試験のことで話す事になったから。
飲んでくる。ごはんは食べてて」

会えるかも。
なんて期待したけど
全く逆の状態にがっかりして、そんなに上手く行くわけないでしょ。と
自分を慰めた。

映画を見る気にはならなくて、そのまま帰った。
久しぶりに一人で食べる夕食は美味しくなくて。
作る気にもならなくてカップラーメンを食べた。

テレビを見ていたら10時過ぎに駿ちゃんが機嫌よく帰宅した。
「はなぁ。ただいま」
「お帰り」
「今日はごめんな」
「ううん。良いよ」
「明日買いに行くか」
そんな風に気を使ってくれるけど、土曜日も仕事に出て
日曜日だけの休みはゆっくりしてほしい。

「駿ちゃん。明日決めよう」
「おぅ。花。今日会社の近くで野口と半田に会ったんだって?」
「うん・・・・」

半田さんの事を思い出してズキっとする。
あの人は雰囲気が夢ちゃんに似ているよ。

「半田が花の事、可愛いって」
そう言いながら機嫌のいい駿ちゃん。
「野口も山田も昨日の料理の事褒めててさ」
「・・・・」
「皆で花が可愛いって話になって」
「・・・・」
「半田が花の料理を食べてみたいって言うんだ」
「・・・・」
「それがさ!半田ってビックリするぐらい料理が出来ないんだよ。あいつ」
「そうなんだ・・・」
そんなところも夢ちゃんにそっくりだね。

「だから、今度家に呼ぶから、料理食べさせてやってくれよ」
「え・・・?」
「だから、今度半田を家に呼ぶから・・・」

「やだ!」







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