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不貞の代償
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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無謀3-3

 目を覚ましたのは昼過ぎだった。外はまだ雨が降っているようだ。室内は湿気を帯びている。もちろん雨のせいだけではない。部屋の中を見回すと散乱している衣類と一緒に丸めたティシューが乱れ散っている。お互いの泡だった股間をぬぐったもの、腹へ背中へと放った精液をぬぐった残骸だ。情交あとのかすかな異臭が鼻につく。
 射精を制御しきれない状況は初めての経験だった。セックスには自信を持っていたからなおさら不覚に思う。あの状態で――田楽刺しにされた状態で――冷静に佐伯と会話をしていたことにいらついた。日常的な会話をしつつ、今までにないぬるつきを生み出すギャップに動揺しながら、急速に快感が高まっていった。制御しなければと思っていた矢先、奥の方がグルグルッとうごめいたのだ。それを亀頭の部分で感じたとたん制御不能となった。
 男の腕の中で一夜を過ごすことに慣れていないはずだが、体は疲れ果てているのですぐに寝息を立てた。寝返りを打つ奈津子をその都度抱き直した。そのたびに睡眠を妨げられるが体を密着することにこだわった。あれだけ射精したにも関わらず気づくと勃起していた。奈津子を起こさないよう、そっと尻のあわいに差し込む。果たして自分で作り上げた状況が有効に使われているのだろうか。このままでは場所が変わっただけだ。早くも一日が終わってしまった。
 奈津子が目覚めると直ちに性器に指を入れてこね始めた。ぐずるような仕草を見せるが、横抱きにして指を深く潜らせて動きを封じる。
 ホテルでセックスを終えたあと抱き合ったまま、まどろんでいるとき、「あなたと、このまま朝を迎えたい」と何度となく願望を訴えた。それが現実となったわけだ。そのときの会話の中で朝起きてそのままセックスしたことはない、と聞いたことがある。従って今日が初めての経験だ。抱かなければ田倉は収まりようがなかった。昨夜で出し尽くしたと思っていたが朝から興奮状態であった。どれだけセックスすれば静まるのだろう。まるで自慰行為を覚えた頃のようだ。肉体はまだまだ若い。もっと強く自負してもいいのかもしれない。そう思うと喜びが込み上げてくる。
 いやがるように腰をひねるが、二本の指をくわえ込んだ膣はとろみを帯びてきた。手を取ってペニスを握らせる。朝からこんなに堅いペニスを握ったのは初めてだろう。これを今からどのように体の中に納められるのかを推し量っているのだろうか。握り方はぎごちなかった。性器を愛撫し合うには田倉が体を縮める必要がある。身長の差がありすぎるので、たちまち奈津子の手が届かなくなる。この堅さを知らせたので良しとした。
 わざと音をたてて性器を愛撫した。手グシで髪をかき上げると小さな耳が赤く染まった。朝からこんなに濡らして恥ずかしいのだろう。毎日過ごす部屋の中で夫以外の男に抱かれるといった非日常的な状況が、秘めた性欲を刺激することになった、と思っている。やはり危険を承知でこのシチュエーションをつくってよかった。


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