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透明な滴の物語V
【同性愛♀ 官能小説】

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ワインのあとで-8

佐和子は優しい笑顔で答えた。
「そうよ。ここから琴音が出てきたのよ」
聡美はため息をついた。
「私なんか、まだまだね。比べものにならないわ」

佐和子の膣はさまざまな経験を踏んできた。
旦那のものを受け入れ、愛の放出を受けた。
生理が止まり、病院へ行った。
内診台に上がり、開脚した。
医師の指を受け入れ、看護師から洗浄された。
出産では、耐えがたい陣痛に人目もはばからずに悲鳴をあげた。
はち切れんばかりに押し広げられた膣道から琴音を産み出した。

(とてもかなわない…)
聡美は、急に意気消沈してしまった。
その心の内を見透かしたように佐和子が聡美の唇にキスをした。
「聡美ちゃんも、ここから産まれてきたのよ。お母さんのここから」
「お母さんの?」
聡美があどけない目で佐和子を見る。
「そうよ。入れてごらん?」
男性器が入るように聡美の指が佐和子のぬめった膣内に沈んでいく。
聡美の指は母の温かさに包み込まれた。

亡くなった母が、佐和子を通じて言い残したことを伝えたがっていた。
佐和子は聡美の頭を撫でながら、噛んで含めるように話した。
「そう。聡美ちゃんはお母さんのここから産まれてきたのよ。だから、聡美ちゃんもお母さんになれるのよ」
聡美は戸惑ったように答えた。
「でも、私は女の人が好きなのよ。男の人を好きになれないの。だからお母さんにはなれない」
「いいえ」
佐和子は確信を持って話しかけた。
「聡美ちゃんはお母さんになるような気がするの。だって、聡美ちゃんはお母さんのことを愛しているじゃないの」
聡美の目にまた涙が浮かんだ。
「だから、きっとお母さんになれるわ」




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