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LADY GUN
【推理 推理小説】

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暗殺者・瀬川涼子-8

 成田空港に到着した涼子。中島から偽造パスポートを受け取る。
 「恐らく一生バレないと思いますよ?ま、帰ってくるつもりはないんでしょうがね!」 
 「フフッ、そのつもり。でも手続き終わるまで緊張するわ。」
 「絶対平気っすよ。」
 「そう願うわ。中島さん、色々ありがとう。感謝してる。私は湯島武史にレイプされてから愛を忘れてしまった。でも中島さんのセックスで取り戻せたような気がする。あなたに会えてよかった。」
 「て、照れますよ。」
頭をかく中島。
 「いつかまた会いたいな…。」
涼子は中島にキスをした。
 「じゃあ行ってきます。」
涼子は名残惜し唇をぐっと噛みしめて振り向きゆっくりと歩いて行った。振り返ると決意が揺らぎそうだった。だから振り向かない。ゆっくりと搭乗手続きをする場所へと歩いて言った。
 無事に手続きを終えられた。そして搭乗準備が整った飛行機に乗り込む。窓の外、どこを見ても中島の姿は見当たらなかった。ほんの数日しか接していないのに何故これほど切ないのだろう。涼子の瞳から涙がこぼれた。
 (さよなら中島さん、上原さん…そして瀬川涼子…。)
飛行機は飛び立った。目を閉じると今までの人生が走馬燈のように蘇る。苦しかった人生を頭に浮かべながらいつの間にか眠りについていたのであった。
 
 瀬川涼子が高田一家を暗殺してから一時間。潮来インター近くの道の駅に別の車を用意していた田口。泰明にも運転手にも連絡がつかずイライラしていた。田口は何度も道の駅に待たせている車の運転手に電話をかけるがまだ到着していないとの返事があるだけだった。泰明に電話しても呼びはするが出ず、そのまま留守電対応になってしまう。
 「何してるんだ?とっくに着いても良さそうな時間だ。事故にあったか?」
さらに一時間待ってみたが連絡はつかなかった。
 するとつけていたテレビのニュースコーナーから思いもよらぬニュースが読み上げられた。
 「本日正午過ぎ頃、東関道下り車線において車が中央分離帯を乗り越え反対車線に飛び出し通行中の車と正面衝突する事故が発生しました。反対車線に飛び出してきた車に乗っていた男女4人は既に亡くなっており頭部に銃弾で撃たれた痕跡があるという事です。警察では事故と事件の両面で捜査をしている模様です。」
 田口は頭が真っ白になった。
 「な、何…?」
テレビには事故現場が映し出されていた。田口の目に飛び込んで来たのは間違いなく自分が手配した車だった。
 「う、嘘だろ…?な、何でだよ…」
呆然としていた。まだ名前はあげられていないが、男女4人は間違いなく高田一家と運転手である。田口は膝から崩れ落ちた。
 「頭に銃弾…?あいつか…!瀬川涼子か…!」
湯島武史、渡辺麻耶…、そして高田一家。この流れは涼子以外に考えられなかった。
 「アニキや麻耶さんはともかく、どうしてオヤジ達が…?」
高田一家は瀬川涼子にとって全く関係がない。どうして涼子が高田一家を狙ったのかわからなかった。そこである言葉を思い出す。
 「大切な人を奪われる奪われる気持ちを教えてやる…」
そう呟いた。その言葉は若菜が愛理に言ったという言葉だった。
 「ま、まさか…瀬川涼子と上原若菜は…グルか!?」
この時初めて若菜が瀬川涼子を見つけ出し味方につけたのではないかと感じた。
 「そうか…、そういう事か!殺人を見逃す代わりにオヤジ達を殺すという取引したか!!上原若菜は皆川静香を裏ぎったオヤジ達を恨んでいるはず。涼子か亮子からオヤジ達が帰国する情報を得て、一昨日東京に来て篠原からオヤジ達が帰国する日時を聞き出したのか!だからあいつ、東京にいたのか!くそっ!」
持っていたリモコンをテレビに投げつけた田口は顔が怒りで歪んでいた。
 「やっぱナメ過ぎていたな、上原若菜を…。そう来たか。あいつは俺を逮捕するんじゃねぇな。復讐するつもりか…。上等だ!もう我慢できねぇ!メッタメタに犯してぶっ殺してやる!!」
田口は本能を呼び覚ます。ゆっくりと立ち上がった姿は復活を意味していた。
 「お望み通り対決してやるぜ!そしてぶっ殺してやる!!」
モンスターTがいよいよ復活する時がやって来たのであった。


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