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LADY GUN
【推理 推理小説】

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同じ穴のムジナ-6

 若菜は一息ついてから言う。
 「湯島武史と渡辺麻耶が殺害された事は公表しない事にしておきます。なるべくそれを田口に知られるのを遅らせる為です。恐らく田口は瀬川さんの仕業だと気付くでしょう。そうしたらあなたの命が危ない。田口が気づきあなたを狙う前に高田一家を暗殺し海外へ飛んでもらうつもりです。あなたを探してももう手は
届かない。その怒りを全て私に向けるように仕向けます。それが私が田口をこちらに向かわせる手段です。」
 「でも、危険じゃない…?田口は本当に恐ろしい人間よ?」
 「承知の上です。生きるか死ぬかの覚悟は出来てます。私は銃を使って田口をレイプしてやるんです。湯島武史から始まって田口にレイプされた女性全ての恨みを込めて、私は田口をレイプしてやる…。」
並々ならぬ狂気だ。若菜の怒りの深さを知る。
 「人の為にどうしてそこまで自分の人生を捧げられるの…?」
 「悪魔に魂を売ったから…。」
質問に対して適切な答えかどうかは分からないが、若菜の頭に浮かんだのはその言葉だった。若菜は心の奥底から湧き上がってくる父親と静香へと思いを止められなかった。
 「私は決めたんです。もう後戻りは出来ない。私は田口を…絶対に殺す。」
それは正義感というより悪意だった。静香の最後の姿を思い浮かべると涙が出そうになる。静香は人を憎むなと言った。しかし若菜にはその約束を守れる自信はなかった。田口に負けるつもりはない。必ず殺す…それ以外の選択肢は有り得ないのだ。
 「瀬川さんは高田一家が帰国するまで中島さんの探偵事務所に身を隠していて下さい。いいですよね?中島さん。」
 「いいですよ。シャワーはあるし普通に寝泊まり出来ますからね。自由に使って下さいよ。」
 「じゃ、お世話になります。」
涼子自身行くあてもなかったし、田口に見つかるのは怖かったので好都合だった。
 「じゃあ行きましょう。じきに渡辺麻耶の遺体が発見されるだろうし、連絡来た時に家にいた方が怪しまれずに済むし。私は捜査をごまかしますからくれぐれも表へ出たりしないでださいね?」
 「うん、わかった。」
若菜達は車に乗り因縁の倉庫を後にしたのであった。


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