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LADY GUN
【推理 推理小説】

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湯島武史-8

 若菜の目の前には家庭の幸せがあった。刑事である父親を持ちある意味特殊な家庭で育った若菜には知り得なかった幸せ。しかし羨ましい訳ではない。父親も常に自分の安全と幸せを考えてくれていたし、母親も愛情を注ぎ込んでくれた。今では小さな可愛い弟達だっている。我が家には我が家の幸せがあった事を若菜は分かっている。そして父親がいなくなった時の悲しみは生涯忘れる事はないだろう。だからもしこの目の前にある幸せから父親がいなくなってしまったらどんな悲しみが待っているのかを考えると胸が苦しくなる。そんな若菜を気遣ってか湯島は言った。
 「僕は今から家族を悲しませるでしょう。辛い思いもさせるでしょう。でも僕は全ての罪を償い、そして幸せを守れる権利を得てからしっかりと家族を守れる人間になって帰って来ますよ。」
 「私は武史さんのいない間、しっかり子供達を守ります。いつかこんな日が来ることを承知で一緒になったんですから…。」
絵里は力強く言った。


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