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淫魔の夜
【ホラー 官能小説】

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淫魔の夜-13

 するとお坊ちゃまは大きく頷かれました。
「そうだよ。ちょうどその頃お父様が事業に失敗して破産するところだったんだ。けれどどういう訳か幸運が重なって持ち直して前よりも金持ちになった。でもその頃からあいつが現れて、そのことを僕がいくら訴えても2人とも取り合ってくれなかったどころか、僕はこの別棟に移されたんだ。じゃあ、お父様とお母様がお屋敷の財産を守るために僕を悪魔に売ったということなんだね」
 お坊ちゃまは辛そうに顔を悲しみに歪めました。首を何度も振って吐き出すように言いました。
「僕の婚約者はあの恐ろしい化け物だってことか。ようし、そうはさせない。あいつを追い出してやるんだ」
 そういうとお坊ちゃまは興奮して私の部屋を飛び出して行きました。それからどうなったかは私は恐ろしくて知ろうともしませんでした。




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