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カウントダウン
【女性向け 官能小説】

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-5


そんな風に蒼くんが言えば
「ふっるい接点だなぁぁ〜」
「さすが内部生!」
なんて周りがからかうけど。
私一人、笑うことは出来なかった。

「成田・・・くん。久しぶり」

何とか喉の奥から絞り出したその声に
「蒼って呼んでよ。知らない仲でもないんだから」
と、さわやかに笑った。

「そう・・・くん」
「俺も、里香ちゃんって呼んでいいかなぁ?」

付き合ったあの期間でさえ、名前でなんて呼ばなかったのに。

「あぁ、俺らみんな里香って呼んでるよ」

周りから余計なひと言が飛んできて
「じゃぁ、『里香ちゃん』・・・ね」
と、やけに名前を強調されて呼ばれた。

ドキドキが止まらない。
これは絶対にお酒のせいなんかじゃない。
逆に酔いはいっぺんに醒めちゃった。

しばらく、蒼くんは周りと雑談していたけど
私は上の空で
テーブルの下で座敷の上に置かれた私の手の小指が
無造作に置かれた蒼くんの小指とほんの少し重なっていたことしか
覚えていない。

しばらくして、会話が斜め横の子が中心となって
皆がそっちに気を取られている時、

「里香ちゃん、ちょっと話があるんだけど。抜けない?」
とそっと耳打ちしてきた。

「え。いやだ。目立つもん」
少し考えた蒼くんは
「おっけ。しばらくしたら駅の反対側のコーヒーショップに来て。
俺はここで抜けるから」

といい、返事をする前に蒼くんは「帰るわ」と飲み会を抜けた。

女だろ?そんな野次を笑顔でかわして
退席する蒼くんをじっと見つめた。

今更、私に何の用だろう。

私は、なかなか席を立つ事が出来なかった。





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