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渚 一景
【その他 官能小説】

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黒い瞳-1

 翌日、約束よりだいぶ早く着いたぼくは思案していた。ふた組の家族連れが浜で遊んでいて、木陰にはレジャーシートが敷かれて荷物が置いてあった。当分ここにいるつもりらしい。駐車スペースはあるが、昨日のようなことはできない。

(どこかいい所はないか……)
考えてもこの辺りのことはわからない。山の方へ戻れば森林公園があるが、きっとバーベキューの人達が来ているだろう。秘密を愉しむ場所があるかどうか。……
(ホテル……)
国道沿いにいくつも派手な建物がある。
頭を過ったもののとてもそこに入っていく勇気はなかった。それに金も心もとない。

 車を降りて煙草を吸った。大きく吐き出すと頭がクラクラする。夏休みに入っておぼえたものだ。車と煙草。ぼくの中でそれは大人のイメージであった。親には内緒だから車の中では吸えない。臭いが残ってしまう。本当は運転しながら吸ってみたいのだが……。


 昨夜、少女はぼくの頭を支配し、肉体を縛り付けた。あの微笑み、すらりと伸びやかな肢体、白い水着に膨らんだ胸、そして、ささやかな丘と割れ目のスジ……。
 
 風のような出会いから順を追って少女の姿が浮かび上がってきた。打ち消しても彼女はぼくに被さってくる。
 知らぬ間にそばにいたのだ。きっかけも何もなく、手を握り、肩を寄せ、体を密着させて微笑みを交わした。
 名も知らぬ二人が友達になることがあるのだろうか。もっと進んで、恋人になることなんてあるのだろうか。

 ぼくの心は短時間の間に少女に奪われていた。
何度も、長く、キスをした。唇が切れるくらい押しつけて、体を抱きしめた。
(恋人になったんだ……)

 彼女の感触が甦って、昂奮が直結したペニスを握った。目を瞑り、少女の水着を脱がせていく。肩から外し、乳房のふくらみ、そして乳首があらわになる。
 少しずつ、少しずつ、腰の丸みを越えるとすっと抜けて水着は萎んだように小さくなる。
(ああ……)
少女の股間は……。思い浮かばない。
 ぼくは裸になった少女に覆い被さっていく。
ペニスを扱く。少女に突き刺し、押し込むのだ。
(あの子と一つになる!)
『セックスするんだよ』
『うん』
『経験あるの?』
『ないわ。あなたが初めてよ』
『ぼくも、初めてなんだ』
秘口の位置がわからない。どの辺に突き刺せばいいのか。夢想が滞ってもどかしい。
少女の手がペニスを掴む。
『ここよ』
手の形をアナにして、差し込んでいく。
『入れるよ。いい?』
『うん、きて』
『ああ!』
少女の名を叫びたかった。

(うう!)
弓なりに突っ張って放出した。鋭い快感が打ち上がって闇に尾を引いていく。
(ああ!……)
握った手が少女の秘部となって引き締める。
『出てるよ。君の中に出してるよ』
『ああ!わかる、わかるわ』
 迸る勢いに翻弄され、身を任せ、ぼくは恍惚として快感の舟に揺られていた。


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