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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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ケッチャク-18


 それからは異世界の魔力が尽きそうになると砂蜥蜴の卵に寄生し、50年ほど眠って魔力を回復させてから地上に出てきていた。
 今回はたまたまテオに見つかり、卵を掘り返されたので眠っていたのは30年程になってしまった。
 初めはムッとして喰ってやろうかとも思ったが、妙な組み合わせのメンバーに興味を覚えて同行する事にした。

 久しぶりに楽しい旅になった。

 魔物に両性具有にヒヨッコ冒険者に王子様に魔法使いに……更にクラスタでは異種族との共生を夢見る人々……1番良かったのはクラスタで足りなかった魔力を補充出来た事。

(黒海の魔力は異世界から漏れている感じか……)

 だから自分も回復出来たし、周辺の魔物達が妙に強力なのだ。

「とにかく助かった!!反撃だっ!!」

 魔獣だの何だのは後回し。
 今は目の前に居る敵を倒すのが先決。

 テオは懐を探り、除草剤の入った瓶を取り出した。
 瓶の先は針状になっており、吸血蔦に刺すと注入される仕組みになっている。
 テオはその瓶を魔物パルに絡みついている蔦の中で1番太いのに刺した。
 刺した所から茶色く干からびた蔦は、勢い良く本体に向かってその範囲を広げていく。
 パキパキと音を立てて侵蝕されていったが、吸血蔦は自ら蔦を斬り離して侵蝕を食い止めた。

「俺らもっ」

「いっくぜ!!」

 ファイターと常連も砂丘を越えて窪みに滑り降り、配られた除草剤を刺していった。
 次々と蔦を斬り落とす吸血蔦から逃れた魔物パルは、ゆっくりと身体を起こして吸血蔦を睨み付ける。

『グオオォオオン』

 あったまきたっ!と言わんばかりの魔物パルの咆哮に、空気がビリッと震えた。

「おし!行くぞ!!」

 満身創痍ながらも気合い満々な魔物パルに飛び乗ったテオは、懐から更に除草剤を取り出す。

『ウヲオォン』

「くらいやがれぇっ!!」

 ドッタドッタと走り出した魔物パルと雄叫びを重ねたテオは、迫り来る蔦をサバイバルソードで弾く。
 四方八方から迫る蔦は、不規則な動きで翻弄してくるが落ち着いて見ると方向性があるのが分かった。
 本体はひとつなのだから、それを辿れば……。

「そ・こ・だぁっ!!」

 大きく叫んだテオは、魔物パルから飛び降りて足元にサバイバルソードを突き刺す。



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