ケッチャク-1
雲ひとつ無い砂漠の空を、細長い羽毛の蛇が舞う様に飛んでいた。
その羽毛は沈む太陽に照らされてなお、ミントグリーンに輝く。
「ピィ。あそこに降りるぞ」
その羽毛の蛇の背中に乗っていた男が、蛇を軽く叩いて合図を送った。
『ピ』
ひと声鳴いて応えた羽毛の蛇は、ゆっくりとスピードを落とし大きく旋回して小さなオアシスのある砂だらけの大地に降りたつ。
「お疲れ。後でブラッシングしてやるからなぁ」
『ンピ♪』
男……テオは羽毛の蛇の背中から降りると、巨大な頭を身体全体で抱いて可愛いがってやった。
羽毛の蛇……ピィは、嬉しそうにクルルと喉を鳴らす。
「すっごぉい!ピィ!速いよっ!もうエザルが見えるもんっ!」
空から降りてきて巨大な頭にしがみついてまくし立てたのは、背中から蝙蝠の羽を生やした少女パル。
彼女は自力で飛んでいたらしく、頬を紅潮させて息を切らしていた。
「お前も大したもんだ。お疲れ」
テオは背伸びしてパルの頭を撫でてやる。
「へへぇ」
パルは肩をすくめて、嬉しそうに笑った。
「さて。どうするよ?少し休憩したら行くか?それとも明日にするか?」
目的地エザルは見えている。
今から歩いて行ったとしても、暗くなる前には到着出来る筈だ。
「出来るだけ……急ぎたい……」
ピィの背中から滑り落ちる様に降りたリュディは、先に降りていたランスに助けられながら答えた。
「そうですね。季節風が今にも吹きそうですから」
季節風、それが今回の問題だった。
―――――――――――
まだ太陽も登っていないらしい暗い時間に、リュディは目を覚ました。
童貞ランスに散々喘がされ、散々中出しされて疲れ果てていた筈なのに妙に寝苦しい。
「んっ」
身動ぎした途端、理由が分かった。
後ろからランスに挿されたまま、背中に彼が乗っかっていたのだ。
「……ランス……」
身を捩ってランスを揺らすと、彼は薄く目を開けてふにゃっと笑う。
(やだ……可愛い……)
リュディの胸がキュンと鳴り、下半身にもキュッと力が入る。
「ぅ」
挿されたままの肉棒が思わず反応しそうになるが、直ぐに萎えた。
いい加減、彼も限界のようだ。