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LADY GUN
【推理 推理小説】

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抑えきれない想い-7

 街灯もまばらな夜道を歩く2人。会話はあるようなないような、そんな感じだった。
 「帰りはどうするの?タクシー?」
 「タクシー高いしなー。歩くと遠いし電車もバスもないし。」
小石をつま先で蹴りながら言った。
 「俺、車売っちゃったし送っていきたくても行けないんだよね。」
俊介にとってみれば若菜が家に帰る方法を考えると言う選択肢しかないのは当然だ。素で困っている俊介に若菜は溜め息をつく。
 「私、今日は俊介さんとお話したいなぁ…」
 「話…か。そうだな。じゃあ取りあえずファミレスでも行くか。」
またまた期待外れの言葉に少し苛つく若菜。
 「私、今日出張から帰ってきたばかりで疲れてるしお腹すいてないんですけど…。」
俊介は若菜がいったいどうしたいのかいまいち良く分からなかった。若菜は自分からは言いずらいし言いたくなかったが痺れを切らして言った。
 「今日は俊介さんの部屋に泊めてください!」
 「いっ!?」
考えてもいなかった言葉に目を丸くして驚く。
 「だってそのほうがゆっくりできるし誰にも気にせずにお話できるじゃないですかぁ。」
 「で、でも…」
同じ屋根の下…、男と女の関係を思い浮かべてしまうのは当然だ。万が一にでも若菜に手を出す事はないとは思ったが、それでもやはり躊躇いがある。分かったとは言えない。そんな俊介の前に回り込み、若菜は顔を向き合わせながら言った。
 「泊まらせて下さい。」
 「…」
若菜の顔からは、女にここまで言わせておいてダメはないわよね?的な雰囲気が感じられた。確かにそうだ。しかも自分が仕事を終えるまで何時間と待っていてくれた若菜に帰れと言うのは男としてと言うよりも人間としてどうかと感じた俊介。自分は節操のある人間だ…、その自信をもとに俊介は答えた。
 「分かったよ。」
そう答えるとニコッとして再び並んで歩き始めた。分かったと言いながらも何となく落ち着かない俊介はソワソワしてしまう。しかし堂々としている若菜も実は心臓が壊れてしまいそうなぐらいにドキドキしていた。
 (ああは言ったけど、男の人の部屋に行くなんて初めてだから緊張する〜!どうしよう…絶対ボロが出て恋愛経験値ほぼゼロ女がバレちゃう…。)
外見はもはや完璧だ。しかし恋愛下手はどうしようもない。思わず口数少なくなってしまった。
 そんな若菜だが、一つだけ決めている事がある。それは、俊介に抱かれる事だ。俊介とセックスする覚悟だけは強く胸の中に決めていたのであった。


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