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鳳学院の秘密
【学園物 官能小説】

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第6章 狂宴-21

 冷たい絶望が発作的に決意を固めさせた。これが私の未来の姿であると言うなら、それを防ぐための選択肢は、もう一つしか残されていなかった。


 眼前で繰り広げられた激しいセックスの末、絶頂を迎えた女が息も絶え絶えに横たわるのを眺め、俺は自信が漲ってくるのを覚えた。
 俺の王国は強大だ。学院の権力基盤を掌握し、あの綾小路家の干渉をも跳ね除け、首謀者たる美姫を手の内に捕えた。将来有力者となりうる生徒も下僕と化し、一言命じただけで理性をかなぐり捨て、獣のようにセックスをさせることもできる。そして極めつけは、俺に盾突いた者の末路だ。
 早紀に手を出す奴は許さん、とほざいていた南雲に、俺のことを絶対殺すと言った橘も、今や操り人形にすぎない。命じられるがままにセックスに励み、ひぃひぃ喘ぐ様は実に愉快だ。
 本来紫織に見せつけるためにやらせたのだが、思った以上に俺の方も昂ぶってきている。これだけ激しいものを見せつければ、いよいよ彼女も誘惑に屈するはずだ。獣じみた本能に突き動かされ、腕の中の彼女をソファに押し倒し、その上から覆いかぶさった。
 「さぁ、そろそろ良いでしょう。私達も楽しみ‥」
 キスをしようと顔を近づけると、蔑むような冷たい瞳に見返され、思わず気押されてしまう。気高い彼女は誘惑になど屈しておらず、その目に理性の輝きを宿している。驚く俺の前で、紫織は冷然と言い放った。
 「人の心を持たぬ傲慢な者よ、綾小路は外道の力に屈したりはしません」
 その瞬間、紫織の考えることを察知し、俺は恐慌に陥った。
 まずい!
 勝負は一瞬の内に決した。
 「んぐぅ‥!」
 手に走る激痛をものともせず、俺は紫織の口に布の塊を押し込んだ。もがく彼女を抑え込み、手近にあった布で口元を縛り、舌を噛めないようにする。
 間一髪の差で間に合ったことを知ると、全身は冷たい汗でびっしょり濡れていた。よもや自殺を図ろうなど思いもよらなかっただけに、ショックは大きかった。
 「なんて馬鹿な事を、それほどまでに俺を拒むのか!」
 必死で布を吐き出そうとしながら、それでも紫織は憎しみのこもった眼で睨み返す。もはや紳士ぶる余裕もなく、怒りに駆られた俺は乱暴に肩をつかみ、顔を近づける。
 色々お膳立てしたにもかかわらず、当初の計画は不意になった。俺は彼女を愛していた。教育が避けられない手段ではあっても、彼女に認められたいと思っていた。だが彼女は、決して俺に屈したりせず、あまつさえ死を選んだのだ。くそっ、最初からこうすれば良かったんだ。
 「いいだろう、ならば力づくで奪ってやる。お前の全てを俺のものにしてくれる!」
 憎しみを称えた瞳に恐怖が混じり、肩から震えが伝わってくる。胸の中では無念な気持ちが渦巻いていたが、同時に暴力的な悦びにも満ちていた。震える手をドレスの胸もとに伸ばすと、脱がすのももどかしく、乱暴に引き下ろした。


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