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LADY GUN
【推理 推理小説】

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終わらない物語-1

 中央署のから続々と捜査員達が出発した頃、静香は白山村の白山山頂付近にある倉庫に到着しようとしていた。街灯すらない山道。恐らく近づいてくる車のライトを見て田口は待ち構えているのであろう。体の半分以上は恐怖に襲われている。しかし長い戦いを終わらすべく静香は勇気を出しアクセルを踏む。
 「ここで始まった事はここで終わらせる…。」
いよいよ到着した。自分にとって因縁の場所である。中には自分が追い求めていた覆面男達、拉致された婦警、そして田口徹がいる。車を降り一歩ずつ倉庫に歩み寄る。
 忘れない。あの時のままだ。再びこの扉を開ける日が来るとは思わなかった。扉の前で目を閉じ深呼吸すると銃を握り締め、思い切って扉を開ける。
 「時間通りだな。さすが!」
腕組みして待ち構えているのは田口徹だ。堂々とした姿が憎らしい。銃を構えながら田口と向き合う。
 「久しぶりね。随分大人になったわね。」
 「お互い様だろ。すっかりいい女になったもんだぜ!ヘヘヘ!」
 「それはどうも。」
ピクリとも表情を崩さない静香。田口も銃に全く怯まない。
 「くくく、しかも婦警の制服を着て来るとはな。似合うじゃん?」
 「あなたにひどい目にあった婦警の代表としてあなたを逮捕する気持ちの現れよ。」
 「へぇ…、俺はてっきり俺を興奮させる為のコスプレかと思ったんだけどな。」
 「あなたを喜ばす理由なんてないし。」
 「だよね。」
余裕の笑みをこぼす田口の背後に全裸で監禁されている婦警達の姿が見える。
 「弓野聖子さんを殺害したのはあなた?」
 「ああ、そうだよ?」
 「惨い事を…。」
田口を睨みつける。
 「おまえら警察が間抜け過ぎるから犯罪やり放題なんだよ!ハハハ、おまえがいなきゃまだまだ俺にたどり着かなかった事だろうよ!」
 「褒めてくれたの?ありがとう。」
 「くくく、俺は賢い女が好きだからね。ただのオマンコ女はすぐ飽きる。賢い女の全てをレイプで一瞬にして奪うとる瞬間がたまらないんだよね。ヘヘヘ、皆川静香の全てを一瞬にして奪いたくてしかたねーよ。」
卑猥な笑みで静香を見つめた。
 「俊介はどこ…?」
ニヤリと笑う田口。
 「おい、連れてこい!」
田口が言うとドアが開き十字架に張り付けられたまま運ばれる。
 「静香!!」
 「俊介!!」
田口はニヤリとする。俊介の存在を確認した瞬間、それまでの冷静さが失われたからだ。静香はすぐに動揺を押し殺す。
 「ここから彼女様のご活躍を眺めてろよ。」
俊介を張り付けた十字架が立てられた。
 「こうして1人で来たんだから、俊介を解放しなさいよ…。」
 「1人で来たからって解放する約束はしてないし、約束してたって守らないけどね。ハハハ!」
 「だよね。」
静香は田口を睨み付ける。
 「高田さんを奪われてから、ずっとこの瞬間を待ってたよ。おまえの事を忘れた日など1日もない。おまえに復讐する事だけを考えて今まで生きてきた。」
 「可哀想な人生ね。」
 「ああ。そうだな。でも楽しいけどね。犯りたい女とは犯れるし、全国の美人婦警さん達に囲まれてハーレム生活はできるし、ね。」
 「あなたの人生はセックスとドラッグしかないようね。」
 「最高じゃん。」
皮肉混じりの言葉にも余裕の対応を見せる田口。婦警の制服姿の静香を見てニヤニヤしている。


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