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LADY GUN
【推理 推理小説】

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カウントダウン-10

 警視庁本部へ出向いている島田に連絡をした後、集まった署員、捜査員達に向かいこれからの捜査について説明する中山。
 「田口の居所が分かった。」
急な展開に全員がざわつく。
 「山中の倉庫らしき建物を徹底的に探してきた。しかしあれだけの人数が入れる倉庫は見つからなかった。以前、あの事件…上原正芳刑事が命を落とした場所には、田口からの初めての挑戦状が届いた時、皆川刑事達がそこへ行ったが誰もいなかった。暫く人が出入りした様子もなかった事から的を外したと判断し、様々な場所を探し捜査に当たって来た。その白山村の白山山頂付近にあった倉庫こそ現在田口が婦警らを監禁している場所だったんだ!」
 「何だって…?」
どよめきが起きる。
 「白山村の倉庫ではないと判断したのが盲点だった。我々はそこを捜査から外した。その事を計算して田口は、あの時我々が現場に行った後、そこに移動してきたと見られる。それに皆川にとってあの場所は出来れば行きたくはない場所であったはずだ。辛い過去を思い出させる事になるからだ。田口は敢えてそこに皆川を行かすよう仕向けたと考えられる。あの場所に再び訪れた皆川は相当辛かったはずだ。捜査対象から外した事にホッとした事だろう。しかし再び行った事でもう来たくはないという気持ちを強く持っただろう。田口は巧妙に皆川からあの場所を遠ざける事に成功した。田口は我々の裏をかき、あそこを拠点としたんだろう。そして今、皆川が行方不明だ。恐らく田口から電話があり白山村に向かったと思われる。いいか、装備を万全にして10分後に出発する!急ぐんだ!」
 「はい!」
刑事、捜査員達はすぐさま準備にかかった。準備をする中で石山が若菜がいない事に気づく。
 「上原は?上原はどこにいる??」
誰も分からない。携帯を鳴らすも出ず、石山が署内を探すが姿が見当たらない。石山はGPSで位置を確認すると高速入口付近にいるのが分かった。移動している事から車で走っているようだった。
 「あいつ…現場に向かってるのか!?」
白山村方面に向かっているのに気付く。すぐさま中山に連絡する。
 「電話繋がらないのか!?あいつ1人行って何が出来るんだ!まずいぞ…急げ!!」
とてつもなく大きな相手に太刀打ちできるだけの力がないのは明らかだ。非常に危険だ。正芳のみならず若菜まで犠牲になる事だけは避けたい中山。ちょうど準備が整った連絡が入りすぐさま出発した。
 「急げ!誰も失ってはいけない!」
中山を先頭に夜にサイレンの音が鳴り響く。正芳を失った時の胸の痛みが蘇る。
 「皆川も上原も無事でいてくれ…」
石山はそう願いながらパトカーを走らせた。
 とうとうその瞬間がやってきた。様々な運命が重なり合う時がやってきた。神と呼ばれた男から続いているこの事件を終わらすべく、中山は最終決戦と位置付け全ての力を田口徹逮捕へと注ぎ込むのであった。


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