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悦びの種
【熟女/人妻 官能小説】

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第8話 戸惑いの風-1

「お待たせいたしました。それでは・・・ここからの御奉仕は、結合までの間までに止む事無く執り行わせて頂きます。ですから・・・木本先生の方で、射精のタイミングを見計らって、私に何かしらの合図を下さい」

この時、校長の右手に持つピンク色のバイブレーターは、光り輝く程の光沢に包まれていた。
これも同じく、バイブレーターのスムーズな挿入を狙ったものと考えられる。
さらに付け加えれば、校長の中は濡らしたローションで滑りも良くなり、のちの結合に置いてもスムーズに執り行う事が出来る。
あくまでも契約セックスである以上、極力の秘め事を避けようとする、完璧なまでの校長の思惑が垣間見えた。
そう・・・僕に、愛撫する余地など微塵もなかった。

「ええ・・・分かりました。その時がきましたら、早めにお伝えしますので・・・お手柔らかにお願います」

「それでは・・・続きの方、執り行わせて頂きます。今度は、多少窮屈になりますけど・・・木本先生の胸元をお貸し下さい」

校長はそう言いながら、間髪いれずに僕の胸元に顔を埋めて寄り添った。
上半身を預ける感じで、僕の腰の後ろから左手を回して行為を行なう形だった。
右手にはバイブレーターを持ち、同時に自分の準備も行なう為だろう。

「それでは・・・失礼します」

校長の言葉と同時に、僕のペニスには冷やりとする感触が伝った。
左手で、校長が軽く握りしめていたからだ。
そのまま行為を行なうと思ったが、右手に持つバイブレータの様に、ローションでペニスをまぶした。
手際良い手つきに、ローションのヌルめきが心地良く、僕のペニスは反り返るほどにいきり立っていた。
人並より大きいサイズだが、校長は目を向ける事無く、僕の胸元に埋まりながら目線を外していた。
その様子は、まるで契りを交した後に、胸元で甘える恋人の様にも見えた。
さらに視線の先で、乱れた茶色のソバージュの髪から覗く校長の長いまつ毛が、どこか美しくも映り、僕の心を惑わした。
年増の校長に対して刻まれた新たな性癖だったが、心の奥に何か特別な感情が芽生えている様な思いがあった。

しばらくして、校長の右手に持つバイブレーターの様にペニスも光沢をおびると、微かな刺激が僕を襲った。
軽く握りしめる程度だが、校長はペニスの竿をゆっくりと上下していた。
ローションのヌルめきも重なり、普段の自慰行為よりも快楽は増していた。
さらに、医療用ゴム手袋との相性も良く、ヌルめきの中の滑り具合が心地良さをあたえていた。
それでも、結合までのタイミングを考えてか、校長の手つきはあくまでも弄ぶ程度だった。
そのジレンマは耐えがたくもあったが、元々M気質のある僕にしてみれば、皮肉にも射精行為を早めるほどの柔い刺激となっていた。

「木本先生・・・いかがなものでしょうか?」

結合までのタイミングに対して、行為の適度を校長は尋ねたのだろう。

「ええ・・・これくらいでちょうど良いと思います」

むろん、これ以上の刺激は暴発する恐れがあった。

「それでは・・・私の方の準備にも取り掛からせて頂きます」

シュルル・・・・・・

校長は自らの行為を促すと、ストッキングの摩擦音と共に、女座りで重ねた脚を開いた。
すると、その姿は直角に曲げた脚も重なり、まるで卍の様に見えた。
さらに開いた脚は、紺のタイトスカートをめくるほどたくし上げて、黒いパンティーストッキングの切り返しまで覗くほど露わとなった。

「おっと・・・」

少しバランスが悪い体制なのか、校長の身体は寄り添うように重みが掛かり、僕は思わず声を出しながら後ろに左手を付いて支えた。

「す・・すみません」

「大丈夫です・・・このままでも構いません。さあ・・・遠慮なく続けて下さい」

申し訳なそうに謝る校長に対して、僕は言葉を掛けながら安堵させようと、自然と肩を抱いて手繰り寄せた。

「き・・木本先生・・・・・・」

不意を突かれた校長は、驚きの表情で僕を見つめた。
それに対して僕が視線を向けると、二人はしばらく見つめ合った。
ここで校長が目を瞑れば、間違い無く口づけに誘われるほどに、サーモンピンクのルージュは魅了していた。
思わず僕の胸は高鳴り出し、そのまま目を瞑ろうかとした瞬間、これを遮るかのように校長は視線を避けた。
おそらく校長は気づいてないだろうが、このまま続いたならば、僕は間違い無く口づけを交わそうとしていた。
しかも、その気持ちは性的ではなく、校長を愛おしく思うものだった。
目まぐるしく変わる校長への思いに、僕は戸惑いの色を隠せずにいた。

―つづくー


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