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LADY GUN
【推理 推理小説】

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生贄-8

 後日、署長室に呼ばれた静香。俊介の事を考えると夜も眠れず憔悴しきっているのは明らかだが、それを隠そうと頑張る静香が痛々しく感じた。
 「田口から郵送で送られてきたよ。」
数枚のDVDディスクを机に出した。
 「角田の姿も映っている…。」
 「ほ、本当ですか!?」
やつれた顔が豹変する。
 「しかしお前が観るには辛いかもしれない。悩んだんだがお前に知らせる事にはしたんだが…。」
 「…暴行…されているんですか…?」
田口に暴行され残酷な姿を想像した。
 「いや…、暴行はされていないようだ。しかし…、やっぱりお前は見ない方がいいかも知れない。」
暴行されていないとなると一体何が映っているのか疑問だ。
 「私情は捨てます。事件解決に向けた捜査の為に私は確認します。」
島田の顔を見てそう答えた。
 「いや…、う〜ん…私情を捨てられるかどうか…。どっちにしろ辛くて悲しい思いをするのは明らかだ。しかも今回のは挑発するだけであちらからの要求などは一切ない。はっきり言おう。お前への挑発だ。挑発と分かれば敢えて見なくてもいいとは思う。」
歯切れの悪い言葉にますます確認したくなってしまう静香。
 「観ます。」
きっぱりと答えた静香。
 「そうか…。いいか、冷静になれよ?」
 「分かりました…。」
静香はディスクを持ちモニター室へと入る。そして動画を確認する。目を疑った。頭がおかしくなりそうだった。心臓が激しく鼓動した。体が震えた。頭が真っ白になった。気付くと同じ言葉を何度も呟いていた。
 「俊介は嫌がってる…。やらされてる…俊介は…」
動画が再生し終わってもボーッと画面を見て呟いていた。
 「あの女…」
そう言葉が変わったのは暫く経ってからであった。
 「あの女…、田口徹が高校生の時同居していた母親と思ってた女…。」
俊介のペニスを頬張り自分を挑発する女に見覚えがあった。ずっと謎と思われていた女だ。事件に関わり田口と未だに繋がっている事に気付いた。
 「この女の正体を調べなきゃ…!」
精神的ショックを誤魔化すように新たな捜査に気合いを入れる静香。しかし自分のダメージが相当大きい事は誤魔化しきれない事だった。自らを奮い立たせないと頭がおかしくなりそうだった。静香は謎の女の捜査に尽力を尽くした。
 
 「今頃怒り狂ってるかしらねぇ?」
 「どうだろうね?フフフ」
綾美にフェラチオさせている田口を見てニヤニヤする瑞穂。
 「皆川静香は優秀な刑事だ。最終章に向けて皆川静香の頭脳を狂わせるには最高のモンだったはずさ。どんなコンピューターウィルスよりも強力ですよ。」
ここまで的確な捜査で、答えに一番有効な捜査をしてきたのは静香だけであると認めている田口。そんな静香の精神状態を狂わせ捜査に迷いを生じさせるのが狙いだ。田口にとってはゲーム。ゲームクリアまで簡単にストリーが進んではつまらない。だから静香の精神を揺さぶったのであった。


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