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LADY GUN
【推理 推理小説】

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生贄-5

 綾美はペット用の首輪に繋がれた手綱を田口に握られていた。そんな綾美を見て俊介が言った。
 「お前も男なら約束を守ってその子を返してやったらどうなんだ。」
 「男だからといって約束を守らなきゃならない義務はないし。それに約束を守る模範的な犯罪者なんてどこにいるんだよ。見てみたいわ!」
 「汚ねぇ男だ…。」
やはり熱くなる俊介に対して田口は冷静だ。
 「それに綾美ちゃんが帰りたがらないんだよね。」
 「な、何…?」
田口が綾美から首輪を外す。すると綾美は田口の足にすがりつく。
 「田口様…コカイン下さい…」
 「な…!お、おまえその子をヤク漬けにしたのか!?」
信じられない田口の行動に、さらに怒りがこみ上げて来る。
 「フフフ、この通りさ。警視庁総監の娘がヤク中なんて笑えるよな!」
 「お、おまえって奴は!!」
体を暴れさせて怒りを露わにする。そんな俊介を見るのも楽しくて仕方ない田口。
 「まぁ娘の元気な姿を警視庁総監様にも見てもらうつもりだが、あとお前の元気な姿も大切な彼女様に見てもらわなきゃな。」
 「あ??」
 「くくく、本来なら散々痛めつけた後の姿を見せてやりたいところだが、幸い俺は男を虐めて興奮する趣味は持ち合わせてないものでね。」
 「ふ、ふざけるな!!」
 「じゃあどんな姿を静香ちゃんに見せてあげようと考えたんだけどさぁ、彼女がいいアイディア持ってきてさぁ。」
田口がそう言うと扉が開き中から色気たっぷりの美人な女性が入ってきた。
 「高田瑞穂よ?よろしくね。」
微笑もゾクッとするような色気を感じた。
 「高田…?」
 「高田瑞穂…、道彦の姉よ?」
 「姉…」
高田に姉がいる事は知らなかった。しかしどうして道彦の姉がここにいるのか疑問だった。
 「皆川静香は私の大事な弟を殺害しておきながら何の償いもせず、のうのうと刑事を続けている…。私達遺族はどれだけ苦しんでいたか分からないと言うのにあの女は男作って毎晩メイクラブ…。あなたのペニスで発情した猫のような声でアンアン言って、ね?許せないのよね。」
 「な、何言ってるんだ…?」
相変わらず色っぽい微笑を浮かべているが、瞳は寒気がするほど冷たく感じた。
 「傷心の彼女を愛の力で支えた…?美しいわね。美談よね。私、そういうの、嫌いなの…。」
 「な、何が言いたいんだ!?」
俊介は頭の中で様々な事を思い浮かべる。もしかして瑞穂は女王様で鞭や蝋燭を使い自分を虐めるつもりなのではないか…、股間を鞭打ちされて二度と役に立たなくされるのではないか…、ウンコを食わされるのではないか…、聖水を飲まされるのではないか…、考えただけでも恐ろしくなってきた。
 「全裸にして張り付けな!」
 「はい!」
覆面男達は俊介を十字架の張り付け台に縛り付ける。
 「や、やめろ!!」
怯える俊介。
 「キリスト様みたい…フフフ。じゃあ彼女様へのビデオレターの撮影準備して。」
妖しい笑みを浮かべた。覆面男が撮影を始めた。


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