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磯崎若菜 13歳の迷宮
【レイプ 官能小説】

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愛妹の記憶-1


 授業中も若菜はぼんやりした表情で、記憶の宮殿の中を彷徨っていた。
彷徨い探すのは、妹汐莉が11歳前後よりの記憶がある部屋である。

見つかった部屋の中から、若菜が手にした記憶は意外な物であった。
その中にはいくつかの”キーワード”が点在していた。
一番気になったのは当時のクラスメイトだった、鈴木美里亜の存在であった。
美里亜は到底同級生と思えぬ程大人びた少女で、妹汐莉が姉の恵利子同様憧れに近い存在の友人であった。
当時より非常に目立った存在の美里亜ではあったが、その魅力は姉恵利子のそれとは方向性が大きく違っていた。
後に美里亜については、大きな問題が発覚しその内容についても若菜は詳細に記憶していた。

 妹汐莉はその美里亜と親しくしており、確か二人でT.D.L.に行った事もあるはずであった。
しかしその行動を案じ制御をかけるべく、母親の香は適当な理由を付け二人に叔父を動向させていたはずである。
自分たちよりひとまわり歳の離れた大人の存在である叔父であったが、若菜にとってはあまり良い印象は無かった。
それは単純に自分たちを疎ましく扱う反面、姉恵利子に対しては少なからず好意を寄せている様子が見て取れたからだ。
その目は姪を見る目では無い事を、幼いながらも若菜は感じ取っていた。

ここで若菜の思考が少なからず思いをめぐらす。
考えてみるとこの頃から汐莉は、少なからず祖父母宅に訪問したがる傾向が増えはじめる。
そして時折ひどく得意げに大人ぶる様になり、無い胸に付けるブラを母親にせがみはじめたのもこの頃である。
それでも若菜の中では多くの情報があるだけで、汐莉に対する事柄が上手くまとまらなかった。

 同時にこの頃若菜は、姉恵利子が歳の離れた男性の車から降りる姿を目撃していた。
それが姉恵利子の”彼氏”らしい存在である事に違和感を感じつつも、母親にその詳細を告げる事は無かった。
(年上の異性の存在?)
この時の若菜には流石に汐莉と叔父の存在は、いくら何でも結びつかなかった。

「お〜い、磯崎!」
記憶の宮殿奥深く迷い込む若菜を、担任教師の声が現実世界に呼び戻す。

「はっ、はい、先生」
突然の事に思わず大きな声で返事をし立ち上がりクラスの失笑をかう若菜。

「磯崎、相変わらずだなぁ。まぁ、今回は見逃すけど、次は無いぞ」
おおらかな担任教師の対応に、ほっと胸をなでおろし席に着く。

それより数週間、就寝前の数時間若菜は記憶の宮殿を彷徨い続ける事になる。
しかし彷徨い続けてなお明確なビジョンが見えなかった"汐莉の記憶"は、些細なきっかけからその全体像を現していく事になる。

 ある週末の午後。
「汐莉ちゃん入るね」
ドアをノックし声をかけた上で、若菜は汐莉の部屋に入った。
もちろん不在である事は知っていたが、この一連の行為が当人が不在であっても姉妹の取り決めであった。
そして不在であっても互いの部屋を自由に行き来して良いのは、母親香の教育方針のひとつでもあったので拒む事も出来なかった。

「汐莉ちゃん、ハサミを借りますね」
ひとりごとを呟きながら若菜は汐莉の部屋に入ると、迷う事無く文房具類が置いてある引き出しを開けハサミを取り出す。
年齢が上がるにつれ不用意に入室する事は互いに遠慮していたが、若菜は以前に入室した記憶からほぼもれなく汐莉の部屋の中にある物の位置を覚えていた。

 その中で以前は無かった違和感ある物が視界にある事に気が付く。
それは旧型の携帯電話であった。
磯崎家においては姉の恵利子でさえ、今だ携帯を所持する事を許されていなかった。
当然の事ながらその妹である汐莉が、それを持ち合わせるはずは無い。
更に言えばその旧型携帯自体ほんの二度ではあるが、二年ほど前に若菜は見覚えがあったのだ。

それは叔父の持ち物と同じ形状で、おそらく間違い無くその物であろうと若菜は思った。
それが何故か二年の時を経て、妹汐莉の机の上に無造作に置いてあるのである。
もちろんそれは、妹汐莉が誰も自分の部屋に入る事が無いであろう事を前提に置いてあったとは思われる。
事実直近は母親の香でさえ、娘たちの自主性を尊重して不用意に部屋に入る事は無かった。

 数分思い悩んだ末ではあったが、若菜は携帯を手に取っていた。
回線契約はすでに解約され通話能力は無かったが、その後も充電されていた様子が有り記憶端末の能力は有していた。
表示の電池残量は僅かであったが、若菜は直感的にデータフォルダからカメラ画像を開いてみる。
操作そのものは以前父親が使っていた端末に似ていた為、さほど違和感無く操作する事が出来た。
そして若菜の確信に似た直感は、最悪の方向で的中してしまう。

 カメラ画像は僅か5枚であったが、その5枚全てが妹汐莉の姿ないしその一部分が写されていると思われた。
あまりのショックにほんの一瞬しか直視出来なかったが、残念な事にその画像すら若菜の記憶の宮殿の一部となり永遠に残る事になる。

汐莉の部屋から自室に戻った若菜は、恐怖に震えながらも考えをめぐらせていた。
いくらその記憶力に対し想像の翼が凡人以下の能力しか無い若菜にも、容易に汐莉と叔父の関係が想像できたのである。
それを起点に思考をめぐらせていくと、いくつもの記憶のピースが結びつきはじめ”恐ろしい画”が見え始めてしまう。

「汐莉ちゃん……」
双子の妹の身をを案じる姉は、その名を呟き涙ぐむ。


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