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磯崎若菜 13歳の迷宮
【レイプ 官能小説】

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麗母の記憶-1


   「物心が付く、物心が付く年頃」

上記については諸説個人差等あり一概に言えないが、磯崎若菜においてはそれが人より早く、合わせて人並み外れた記憶力と記憶量を誇っていた。

磯崎若菜 13歳 中学2年生

「磯崎さん……」
若菜を呼び止める声に振り返ると、そこには上級生男子が立っていた。
異性に対してさほど関心を示さない若菜さえ認識する少年は、校内でも女子生徒より注目を集めるサッカー部のキャプテン兼エースであった。
少年の手にする手紙に一瞬若菜はトキメクが、次の少年の言葉に失望する。
「磯崎さん……、これ妹の汐莉さんに渡してもらえませんか?」

「……、12人目」
若菜は微かに呟く。
”記憶の宮殿”を開く事も無く、瞬時にその人数が口元より呟かれる。

「えっ?」
良く聞き取れない若菜の呟きに表情を曇らせた少年であるが、次の言葉に安堵を覚え軽く一礼する。

「はい、良いですよ。3年5組の宮沢直樹先輩」
にこやかに応じるも、その口調は至って事務的であった。

「あっ、ありがとう」
少年は思いを寄せる少女の姉にクラスとフルネームを羅列され目を点にするも、足早に立ち去る若菜に一途の願いを込めて見送る。

「もうっ!」
流石の若菜も苛立ちを隠せずにいた。
中学入学以来、一体何度同じ事が繰り返されたのであろう。
(自分は妹へのラブレター配達人では無い!)
心中ににてそう毒づく。
(大体何で汐莉ちゃんばかりがこんなにモテて……)
思春期の少女にとっては些か酷な話である。

自宅まで徒歩で帰宅する道のり、若菜の記憶の宮殿が開かれる。
少なくても小学5年生までは、双子の妹との容姿は文字通り瓜二つだったはずである。
その姿は並び歩けばまるでシンメトリーの様であった。
その差が顕著になり始めたのは中学校入学前後で、汐莉は入学と同時に上級生まで含めた男子生徒の注目の的になる。

初めのうち双子の妹が持て囃されている様子が、まるで自分の事の様に嬉しく感じた若菜であったがそれも長くは続かなかった。
(誰もかれもが、汐莉、汐莉!!!)
若菜のその感情は紛れも無く、嫉妬以外の何物でも無かった。
第三者から見ても、その感情は理解出来無理も無かった。

事実磯崎若菜も十分愛らしい少女で、身長こそ汐莉より低かったが容姿については劣ると言うほどではないと、少なくても自身はそう信じていたのだ。
客観的に大きな違いは、その胸の膨らみや異性を魅了する仕草の様な物だと思っていた。

若菜の記憶の宮殿の中にはその違いの要因とも思われる情報がいくつも点在していたが、人並み外れた”記憶能力”に対しその思考力や想像の翼は凡人の域を出なかった。

その日の深夜、若菜は何故か遠い記憶をたどりつつその基準点へと向かっていた。
それはおそらく若菜が2歳未満で本来なら残るはずのない記憶である。

 11年前、磯崎夫妻の寝室深夜2時。
両親の傍らで双子の姉妹は深い眠りに就いていたが、妹の若菜は母親の喘ぎ声で目を覚ます事になる。
まだ2歳の若菜が仮にその光景を目にしていても、本来なら記憶に残る事無く消去されるはずであった。
しかし若菜はこの時より目にした事聞いた事をすべて記憶しはじめる。
故にその時理解出来なかった事も、後に理解力を得てから述懐する事で理解し得たのである。
成長と共に膨大に膨らんでいく記憶量も、整然と整理され必要に応じ出し入れする事さえ可能であった。

もしも仮に若菜がこの恐るべき記憶能力を有効に利用し、かつ標準を少し超えた思考力と想像力を合わせ持っていれば”天才”の名に相応しかった。
しかし少女は生涯それを他人に口にする事は無く一生を終える事になる。
理由は特に無かったが、思考力そのものは至って標準で協調性と言うか、集団に常に属する事を望む性格がその根底にあったのかもしれない。

何れにしても少女は類稀な”記憶”を誇っていた。
少女自身はそれを”記憶の宮殿”と呼び、時折その宮殿内部奥深く迷い込む事を楽しみ好んでいた。
人並み外れた記憶の交錯が解け、若菜が深い眠りに就けたのは明け方近くとなる。

「おはよう、汐莉ちゃん」

「おはよう……」
起床時に双子の妹に声をかけるも、妹のテンションはいつに無く低く不快感さえ漂っていた。

「ねぇ、昨日の手紙くれた先輩素敵だよね」
その様子を気に掛けた姉は、気を取り直して無難な会話から妹の様子を伺う。

「ん?、でも取りあえずパスかなぁ?」
汐莉の返事は素っ気なく、機械的な受け答えに終始した。

「はい、はい、朝食をきちんと摂って学校に遅れないようにね。それから汐莉、まだボーイフレンドは早いわよ。解っていると思うけど……」
双子の妹の弾まない会話に母親が割って入り、いつもの如く異性関係の注意を促し始める。


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