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The sickness of love
【純愛 恋愛小説】

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The sickness of love-5

『えええ…。そんなに寝てたの?中河原君…私の顔に何かついてる?』
春日は焦りながら中河原に顔を撫でられる。
『本の後がばっちり。』
春日は鞄から手鏡を出し、確認した。
『うそぉ…いやん。』
と悩ましい声を出すと、中河原はジャージの事を言った。
『今日も中河原君ここにくると思ったから、持ってきてあるのよ。』
ジャージを渡すと、椅子に座ったまま大きく伸びをした。
『先生。僕以外の前でそんな無防備な格好したら駄目ですよ。』
春日はピンクのシャツにタイトスカートなのだが、寝ていたからスカートは上まで上がって太股が露になっていた。
『きゃっ…。もっと早くに言ってよ。』
春日は子供みたいにぷぅと頬を膨らましてプリプリ怒った。
『先生…どっちが子供なんですか。』
『あはは…。さぁて帰りましょうか。明日はお休みだね。中河原君は何するの?』
話ながら図書室から歩く。
『俺は…引きこもり。』
中河原はにやっと笑いながら春日に言う。
『じゃあ、私とデートする?』
春日もにやっと笑いながら言う。
『先生…誘ってんの?』
『中河原君の本心を聞こうかなぁと思って。』
『別にいいけど…。それなら俺今日家に帰らない。』
『はっ!?私の家にくるの?』
春日は焦って顔を真っ赤にする。
『先生が良いならね。』
春日の頭の中にはヒワイな創造が膨らむ…。『先生…。何一人で百面相してんの。』
『……ならいらっしゃい。』
中河原と春日は同じ方向を歩き出した。
二人は春日の住むアパートに着いた。
ポケットから春日は部屋の鍵を開ける。
『汚くてごめんね。』
そう言うと、散らかっている本や雑誌を片付ける。
春日の部屋はワンルーム。
テレビやコンポ、そして小さなテーブルなど、女の子が好きそうなピンクのデザインで統一されている。
『先生の部屋って可愛いね。』
中河原はベッドに腰かけて辺りを見回した。
『さぁて、今日は何食べようかしら?』
春日はコーヒーの入ったマグカップをテーブルの上に置いて、中河原に言う。
『俺は何でも良いですよ。好き嫌い無いんで。』
『じゃあ、かんたんな物を作るからテレビでも見ながら待ってて。』
春日はキッチンで料理を作り始めた。
中河原はその辺に積み重ねられてる本を見た。
『卒業アルバム…。』
中河原は春日の高校時代の卒業アルバムを見つけた。
すると、
『坂口澪…。』
と言う、春日にそっくりな娘が笑顔で写っている。
中河原は卒業アルバムの後ろの名簿を見る。
坂口澪は居ても春日澪は居ない。
中河原は居てもたっても居られずに春日に聞いた。
『坂口澪って先生…?』
キッチンに立つ春日は手が止まる。
『ええ。私よ。春日は母親の姓だから。卒業してすぐに両親が離婚したのよ。』
『そっか。先生も大変なんだな。』
『中河原の居場所は家にも学校にも無いの?』
中河原はベッドに寝転んで、
『無いかな…。もう家出たいんだよ。実は母親の浅尾が、一緒に住まないかって言ってきたんだ。』
『かなり複雑ね…。最終的には中河原君のココが納得するようにしたら良いわ。』
春日は中河原の胸を指で触る。
『俺のココ…?』
中河原は自分の胸に手を当てて考えこむ。
『今まで俺は親に逆らった事無いんだよな。親の敷いたレールをただ真面目に歩いて来たから。意外と中河原に話するの大変なんだよ。』


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