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The sickness of love
【純愛 恋愛小説】

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The sickness of love-3

―ガチャ―
『誰かしら?』
春日はドアの方を見た。
田中だった。
『春日先生、こんな遅くまで図書室の管理ですか?机にまだ鞄があったので探しましたよ。』
田中は頭を掻きながら春日を見る。
『今日はまだやることがあるんで、田中先生は先に帰っていいですよ。』
田中は春日が目を合わさずに話すのが少し気に触ったのか、
『春日先生。僕の目を見て喋って下さいよ。』
と少し低い声を出した。
春日は身の危険を察しながら、田中の目を見た。
『田中先生、どうなさったのです?』
田中は春日の手を引くと、図書室の端にあるテーブルに押し倒した。
『キャッ。田中先生止めて。』
全体重をかけられ、身動きの取れない春日は必死で足や手をバタバタさせ、田中に抵抗した。
『僕は君みたいな人が好きなんだ。もう校内に誰も居ないから声を出しても無駄だよ。』
春日はそんな言葉を言われ、田中に抵抗するのを止めた。
下手に動いたら殺されるかもしれない。
そんな時誰よりも先に脳裏をよぎったのは、中河原の姿。
他の男性に抱かれようとするまで気付かなかったこの気持ち。
『田中先生…。止めて。』
もう一度言うと、春日は心の中で中河原を必死に呼んだ。
―助けて―
春日は涙をたくさん流し、田中のキスを受ける。
田中は息を荒くし、春日のスーツを荒々しく引き千切った。
ビリビリとシャツを破られ、スカートはスリットが入ったように裂けた。
田中の手がブラジャーに触れた時、急にフラッシュ音がした。
『田中…てめぇ何やってんだよ。』
中河原だった。
中河原はデジカメ片手に、銀縁の眼鏡をクイクイっとしてキレながら言う。
『お前っ…。』
田中は中河原のデジカメを取りに殴りかかってきた。
中河原はポケットにデジカメをしまうと、田中を懲らしめた。
『田中ぁっ!俺の女泣かせてんじゃねぇよ。お前は馬鹿か。ヤルだけなら誰でも出来るんだよ。こいつはそんなのいらないの。俺じゃなきゃダメなんだから。あと、この写真はお前がまたおかしな事したらばらまくから。全国にね。』
中河原はにやっと田中を見た。
春日は中河原にボロボロの姿を見せたくなくて、カーテンの中に逃げた。
『ホラっ。』
中河原は自分のジャージを春日に渡した。
『無いよりましだろ?俺の臭いするかもしんないけど。』
春日は小声で有難うといい、本棚に隠れて中河原のジャージを着ると、中河原に抱きついた。
『先生…。どうしたの?』
『少しだけこうさせて。』
春日はそう言うと、震える身体を中河原に預けた。
震える春日の身体は冷たかった。
それを必死に暖めようとする中河原。
中河原は弱い春日と強い春日、その両方が好きになっていた。
知れば知る程中河原の心は春日に向けられていた。
キスをしたいと中河原は思ったが、そんな事をしてましうと、田中と変わらない。
中河原は理性と欲望をコントロールするのに必死だが、春日は相変わらず冷たくなった身体を預ける。
春日は田中に強姦されそうになった恐怖で中河原の胸中なんて考える余裕も無い。
春日はただ中河原が来てくれて良かった。
そして中河原が好きだって事を胸に秘めた。
『先生もう帰りなよ。俺送るし。』
沈黙を破ったのは中河原だった。
『うん…。』
春日は中河原の腕から離れて、職員室に戻り、帰宅準備をした。
校門では中河原が欠伸をしながら待っていた。


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