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The sickness of love
【純愛 恋愛小説】

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The sickness of love-2

春日の授業は解りやすいと言われ、少し評判になってきた。
春日はそれを励みに日々教師と言う仕事を頑張っていたが、頭の中には中河原の真っ赤になった顔が浮かぶ。
あの出来事が有ってから春日は中河原と会話をしていない。
もう少しで進路希望の面談がある…。
春日にとって憂鬱になる日がやってくる。
『春日先生。もう少しで進路面談ですね…。僕は毎年これが嫌になるんですよね。春日先生は前の学校でもうまくいってたらしいじゃない?』
田中は最近馴れ馴れしく春日に話しかける。
春日は気付いていないが、田中は春日に気がある。
『前の学校ではそれなりにうまくいきましたが、今年は自信無いんです。』
春日は肩を落としながら田中に言う。
あまり弱音は吐かない春日だが、中河原の事があったのでかなり憂鬱になっていた。
『お互いに頑張りましょうね。』
田中はそう言うと去っていった。
放課後の図書室。
また中河原がやってきた。
『先生…。俺は諦めません。でも先生と気まずいのはもっと嫌なんだ。』
二人きりの図書室に中河原の低めの声が響く。
『諦めないって…。私と中河原君は教師と生徒なんだからね。』
春日は困った顔をしながら中河原の瞳を見つめた。
『じゃあ、高校を卒業したら俺と付き合ってくれますか?』
また困った事を言われ、言葉に困ると春日は諦めた様に、
『解ったわ。中河原君が高校を卒業するまで私を好きで居たらね。』
と中河原に言った。
すでに春日は中河原の事が好きだったのかもしれないが、まだ本人は自覚していなかった。
『先生さぁ…。今までに付き合った人何人?』
『えっ…。』
春日は高校時代に一人だけ付き合った人が居る。
それから誰とも付き合って居ない。
春日は高校時代の彼に酷い事をされて、恋なんてそれからしていない。
恋に臆病になっていた。
いきなり中河原に好きだと言われても好きにはなれない。
しかも十四も年下だから尚更の筈だった。
『先生…。』
『私は恋出来ないの。だから高校を卒業したら中河原君に恋が出来るかもしれない。』
昔の事を思い出して少し悲しい気分になり、図書室の端にあるテーブルに寄りかかり、後ろから中河原が抱き締めた。
『やっ…。中河原君。止めて。』
春日は中河原の手を掴み力一杯抱き締めた手を退けようとした。
『先生は俺の運命の人なんだよ。だから側にいて欲しい。』
甘い声で囁かれて、春日は顔が真っ赤になる。
心臓の鼓動が激しく高鳴り、きっと中河原にも聞こえているだろう。
『中河原君。もう離して…。』
春日は泣きながら中河原に訴えた。
『ごめん…。俺最低だな。』
中河原は悲しい目をして春日に謝り、図書室を後にした。
図書室に残された春日はペタンと床に座り込み、放心状態になってしまった。
『私…どうかしてる。』
目からは涙がポロポロと流れ落ち、抱き締められていた感触がまだ身体に残っていた。
久々に抱き締められた感触に春日は顔の熱りを隠せない。
二十八にして、中学生の様な恋愛知能の春日にはまだ早かった。
『私…恋したのかなぁ?でもダメ。』
春日は頬を両手でパンパンと叩き、気を引き締めて図書室の整理の続きをしていた。


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