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LADY GUN
【推理 推理小説】

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加藤綾美の価値-3

 乗り換えて葛北駅に到着した静香と若菜。来たのはいいが、果たしてどの出口だか分からない。しかも加藤綾美がどうして深夜にこの駅で降りたのかも不明だ。加藤綾美が歩いていないか注意しながら駅を徘徊してみた。それから駅周辺を歩きながら街並みをチェックする。
 「24時間やってるのはファミレスかコンビニくらいね。まさか一人でファミレス行く為にここに来たんじゃないだろうし、ファミレスなら何もここに来なくてもいいわけで、コンビニも同じ。大した娯楽施設もなさそうだし。」
一度駅に戻り駅前の派出所を訪れた。年配の優しそうな警官と、奥でパソコンをいじっている若い警官がいた。年配の警官に葛北市の事を聞いてみた。
 「いやー、この街は深夜の3時に来て何かするような所はないねー。」
 「そうですか。お台場あたりから車で来て葛北駅で人を降ろすとなるとどこが一番可能性が高いですか?」
葛北駅には北口と南口の2つの出口がある。
 「それならこの北口だね。ロータリーあるし東京から来るとこの北口が最寄りだからね。南口に行くには少し大回りしなきゃいけないからね。」
 「そうですか!」
車を降りた場所が見えただけでも大きな収穫だった。
 「君達は何を捜査してるんだい?」
 「ある女性を探しているんです。」
そう言った瞬間、パソコンをいじっていた若い警官が立ち上がり寄って来てしゃしゃり出るかのように話に入ってきた。
 「もしかして加藤綾美ですか!?」
 「えっ?」
いきなり加藤綾美の名前が出て驚く静香。
 「どうして加藤綾美だと?」
若い警官は山下哲郎という、良く言えば明るい、悪く言えば脳天気っぽい今時の若者という感じだ。その山下は若干興奮気味に言った。
 「たまーに加藤綾美っぽい人がこの駅を利用してるんですよねー。昼頃この駅に来てあっちの方に歩いて行く事が多いんですよ。あとは夕方の5時過ぎころ、よくこの駅から電車に乗ってどこか行く事が多い超美人な女性がいて、前から加藤綾美に似てるなぁって思ってたんですよ。」
これは大きな証言だ。タクシー運転手の話でここに来た。そしてここで加藤綾美らしき姿が確認されていた…。これは決して偶然ではないと感じた。


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