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LADY GUN
【推理 推理小説】

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加藤綾美の価値-12

 徳山はもはや何も隠すつもりもないような表情に見えた。
 「俺は中古車販売の仕事だって聞いたからR4コーポレーションに入ったんです。でも実態は違法薬物を販売する為の会社だった。車に隠して麻薬を輸入し販売する…。車がそんなに売れてないのにあれだけ資金繰りがいいのはおかしいと思ったんだ。コカインは高田さんがどっかからか手に入れて来たものだと思ってた。まさか販売してるとは思わなかった。それを知った時、もうR4コーポレーションを辞めようと思ったけど、コカインを吸わせた女とセックスするのがメチャクチャ楽しくて辞められなかったんです。そしてあの事件があり刑務所の中に入ってるときに、もう高田さんもいないしR4コーポレーションに戻らないと決めました。もうR4コーポレーションは消滅すると思いましたから。でも違った。徹があとを継いでいた。出所した時、中西と一緒に誘われたけど、俺達は断りました。またこんな事件起こすなんて、やっぱ戻らなくて良かった。」
しみじみ語る徳山。
 「じゃあ樽美首紗栄子さんを脅迫して毎日のように性的強要を繰り返していたのはあなたなのね?」
 「はい。他言したら動画や画像を流すぞと言って。彼女は何の抵抗もなく要求に従ってました。俺が逮捕されたと同時に海外に飛んだとか。」
 「行方不明ね。今。」
 「そうですか…。悪い事をしたな。」
その言葉に静香が怒る。
 「あなたは全然反省してないでしょう!!現にまたレイプなんて卑怯な事をして逮捕されたんでしょ!?懲りずに!!」
 「す、すみません!」
とっさに謝る徳山。
 「いい歳して何やってんだか!今回の事件でまた刑務所行きね。今度出てきたら真面目に働いてちゃんとした相手を見つけてやり直しなさいよね!」
 「お、おっしゃる通りで…。」
肩を落とす徳山。反省の色は薄そうだが、まだ救いはあるような印象を受けた。
 取調を終え帰ろうとする静香に徳山が言った。
 「徹はヤバいですよ?奴はもはや神よりも悪党だ。神はまだ悪を懲らしめる的な意図があったけど奴にはないらしいですからね。」
 「そう…。」
そう答えた静香。
 「刑事さん、気をつけて下さいよ?あいつには…。」
 「分かったわ。ありがとう。」
そう言って取調室を出て行った静香だった。
 石田が若菜を伴い被害者の女子高生を自宅まで送って行った。もう遅いからと言う事で女子高生を送り届けた後、若菜はそのまま帰宅した。若菜を自宅に帰したのは静香の意向でもあった。


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