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貴方を、護りたい・・
【純愛 恋愛小説】

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幸福-2

「俺、ホントどうしたら良いんだろう・・」

今日はもう帰る筈の居間で、彼と同じソファーへ腰を落とし彼の側で彼の落ち着いて
ゆっくりとした話に静かに耳を傾け

「・・俺のやってる事って本当に正しいのかな・・って時々思う事があるんだ・・もう
ずっとこのままなのか?終わりは訪れるのか・・はたまたこれが俺に掲げられた運命なの
では無いか・・って時々不安になる時があるんだ」

「・・しゅう」

「・・これでも俺なりに必死にやって来たつもり、自分なりに正しいって思った事を
やってきた・・でも、何だか最近そんな自分が信じれなくなって来て・・」

何時も謙虚で、回りに迷惑を掛けまいとする彼にしては随分大雑把な口調に少し戸惑い
つつも冷静に彼の力になろうと私もゆっくりと優しい口調で言う

「・・なら、しゅうが私いやクラスメートや貴方を慕うサッカー部員達になったつもりで
貴方自身を見つめてごらん・・、その姿はどう見える?嫌らしい?煙たい存在?いや
それは絶対無い、貴方の行動はとても素晴らしい物だもの・・」

「でもっ!俺は・・」
「今だってこうして自分の行動に疑問を感じてる・・でもそれは決して悪い事じゃない!
弱気に挫けた筈が無い!・・そう思うのは貴方がそれだけ大好きな家族や仲間を想っている何よりの証拠、・・だからその行動や考えが決して間違っていて悪い・・何て事ある筈
が無い」

「・・・・」
「・・だから胸張って自分が正しいと想った事をやれば良い、もし誰かに何か言われたと
しても」

「私は貴方を信じるよっ!」
私なりに精一杯、彼の悩みに応えたつもり・・後は彼がどう想うか・・どう感じたか
不安な思いを抱き彼の顔を見ると

「・・そう・・そうだよねぇっ!」
私の瞳に嬉し泣きの笑みを浮かべ指で涙を取る彼の姿が映し出され

「有難う・・お陰で気分が軽くなったよ・・」
その言葉に内心ホッとした私は少し間を置き

「私の方こそ・・有難う、話してくれて打ち明げてくれて・・私、今とっても嬉しい」
彼の瞳は既に涙でビシャビシャとなっており、それを見た私は持ってたハンカチでその
涙を拭いてあげ・・それを終え私は思わず彼を抱きしめ」

「私はぁっ!私は貴方の味方だからっ・・何時でも力になるよ・・」
と強く彼を抱き、しゅうもまた私の想いが通じ私を強く抱きしめ

・・そんな最中この空間にさじを掛けるかの如く玄関からドアの閉まる音が響き

「あら?樹里奈ちゃんまだ居たの?」
つい数時間前、幸子サンと話をしそれから私がこの家を後にした直後、近くのコンビニに
買出しに行っていた彼女が戻ってきて、私が今だ人様の家に居る事に驚き目を真ん丸くし私を見つめ・・

「もうこんな時間よ?ご両親も心配していらしてると想うから早く帰った方が良いよ」
気を使って心配してくれる幸子サン・・ダガ気のせいか私を早くここから追い出そうと
している様にも感じ、その様子を察したしゅうが

「何だよ姉ちゃん、帰れって・・こんな雨じゃないか」
「アンタこそ何よっ!やっと帰ってきたと想ったらそんな傷だらけで、もう暗いから
帰った方が良いよって心配してるダケでしょうが・・」
「そうだ今晩は泊まって来なよ!こんな雨だし」
彼のその口調は私にもっと居て欲しい、「嫌だっ行かないでくれ!」とでも言う様に

「アンタねぇ、この子にだって事情はあるんだよ、そんなぁ」
「でもっ!樹里奈は・・俺の・・俺の」

彼の気持ちが一心に嬉しい・・でも私は
「それじゃー幸子サン、私はこれでっ」
「樹里奈ぁ!」
私を引き止める彼、それに対し優しい口調で嬉しくこう言った

「・・有難うしゅう・・でも見た所貴方はもう大丈夫そう、心配は無さそうだから」
「そんなっ俺はっ!」

「それじゃ、また明日学校で・・お大事に」
そう言って雨の中、私は引き止める彼に背を向け、佐藤家を今度こそ後にした

「・・樹里奈」
今だ名残惜しいしゅう・・
ダガそれとは対照的に険しい顔で私が家を出た後のドアを険しい顔で見つめ続け

「あの子・・まさか・・」






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