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肌の微笑み
【OL/お姉さん 官能小説】

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肌の微笑み-2

(2)


 夜、映子の部屋が静かになってから、私と辻村はウイスキーを飲んだ。
一口飲んであまりに強いのでコーラで割ることにした。甘くて口当たりがよかったが、これがいけなかった。つい飲み過ぎて辻村は何度もトイレで嘔吐して、あげく眠りこんでしまった。
 どたばた騒いでいるのだから映子が気づかないはずはない。

「まったく、ばかなことして」
「すいません……」
「早くお休みなさい」
 髪を上げたうなじがとても色っぽく見えた。

 私も酔ってはいたが、体質的なものなのか、しばらくすると却って頭が冴えてきてなかなか寝付けなかった。
 何時頃だったろう。隣室のドアが開き、耳を澄ませているとドアが軽くノックされた。
「江藤くん、起きてる?」
ひそめた声だった。
 そっと開けると映子が目を瞬かせてぎこちなく微笑んだ。
「ジュースあるけど、飲む?」
「はい。ちょうど喉が渇いてたんです」
「そう。よかった」
辻村の様子を窺った。ぐっすり寝込んでいる。

 映子のあとに続き、部屋の前で妙に緊張したのは侵入した後ろめたさがあったからかもしれない。
「いらっしゃい……」
彼女の声は上ずっているように聞こえた。

 小さなガラステーブルにはすでにジュースが注がれたコップが二つ置かれてあった。
「座って」
映子と向き合う。面と向かって顔を合わせるのは初めてのことである。
「だめよ。高校生なのに」
「ごめんなさい……」
「あの子、お酒に弱いのよ。それなのに無理しちゃって。時々隠れてビール飲んでるのよ」
渇いた喉にジュースが沁み渡っていった。
「煙草も吸ってるでしょ。わかるわ、臭うもの。父や母も知ってるの。許可したわけじゃないのよ。黙認。江藤くんも外ではだめよ」

 映子がジュースを飲む。白く細い喉が艶めかしく動く。パジャマの胸の膨らみから肌が匂ってくるような気がしてくる。
 
 言葉が途切れ、空気が変わったように感じられた。辻村の鼾が聴こえてきた。
「すごい鼾……」
ぽつんと言った映子がふいに顔を寄せてきた。
「ちょっと訊くんだけど……江藤くんも、変な本、見るの?」
目を上げると無理に笑おうとしている表情である。
「変な本……」
映子は硬い笑みを絶やさない。エロ本のことだと思った。
「時々は……」
しょっちゅうとは言えなかった。

「そう……、江藤くんも……。思春期だものね。この間、武の見つけちゃったの」
映子の声のトーンは明らかに不安定であった。
「ああいうのって、見て楽しむってこと?私、心理学やってるから、どうなのかなって。武には訊きづらいしね。だから江藤くんに気持ちを教えてもらおうと思って」
 平静を装っているようだが、いつもの映子ではなかった。無理に年上ぶっている。そんな気さえ感じられた。そう思うと恥ずかしさが薄れてきて、私は自分から核心へと踏み出した。

「見て楽しむだけじゃないけど……」
言いながら俯いたので映子がどんな表情をしていたのかわからない。だが、ごくりと喉が鳴ったのが聴こえた。

「それだけじゃないって、どういうことかな?」
「恥ずかしくて……」
「恥ずかしいことじゃないわ。言ってみて」
映子が身を乗り出してきた。
「勃起して……」
「まあ、いやだ」
映子は顎を引いて口に手を当てた。いきなりその言葉が出てくるとは思わなかったのだろう。だがすぐに、
「それで?」
「やっぱり、オナニーしちゃいます……」
「そう……するんだ……」
映子をの視線と絡み合った。もう笑っていない。真顔である。どうやら彼女も経験がない。それに男の生理、情報にかなり関心を持っているようだ。そう思うとさらに余裕が出てきた。

「ああいう本を見ると、なるのね」
「本じゃなくてもなります」
「想像するとか?」
「はい……こういう話、してるだけでも……」
「え?もしかして、今も?」
私が頷くと映子は伸びあがって覗いた。
「へえ、わからないけど……」
ジーパンのなかでペニスは痛いほど脈動している。

「きつくて……」
なぜそんなことを言ったのか、自分でもわからない。ただ、こんな機会はこの先もうないかもしれないと考えたことははっきりしている。映子と二人きりで、しかも性の話をするなんて……。

「脱いでもいいわよ」
いとも簡単に言ったわりには目を伏せていた。頬も赤く染まっている。
「でも……」
「脱いだほうが楽よ。だってきついのはよくないもの」
「恥ずかしいから、お姉さんも脱いでくれたらいいんだけど……」
映子は明らかに動揺をみせた。しかし珍しく大きな口をあけて声を出さずに笑いを向けた。
「江藤くん、恥ずかしいの。仕方ないわね。付き合おうかな」
私たちはどちらからともなくじっと見つめあった。


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