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孤愁
【その他 官能小説】

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孤愁-6

 横抱きにして愛らしい乳房を揉む。
「あう……」
美貴の体が伸び上がる。呼応したようにペニスがぴくんと跳ね上がった。自分でも驚く復活の兆しである。一晩で二回交わったのは新婚の時期だけである。しかも風呂を出てから一時間も経っていない。果ててからも気持ちが萎えることなく熱っぽい想いが持続している感じだったが、まさかすぐに勃起するとは思わなかった。まだ十分な硬さではないが、
(なんとかできそうだ……)
昂奮が膨らんできた。
 妻だったらこうはいくまい。相手が若い、だけではないように思う。
(美貴だから……)
突然荒れ狂ったり、穏やかに甘えてきたり、掴みどころのない支離滅裂さが妖しげな魅力となって心を支配し始めていた。

 愛撫しているうちにたしかな硬さが甦った。
彼の指が美貴の花芯をとらえたとたん、
「ヒッ!」
一瞬硬直した上体が反ったと思ったら形相が一変した。大きく見開いた目を向けて喉を絞るように言ったのである。
「セックス、セックスしよう。セックス」
ふたたび錯乱が始まったのだった。婚活を論じていた『美貴』はどこにもいなかった。

「抱いて抱いて。滅茶苦茶にしてぇ」
溝を辿ると内股一帯がぐっしょり濡れている。まるで股間全体が秘裂状態だ。夥しいぬめりの中を割れ目から尻の蕾に滑らせる。ふと、指先を穴に挿してみた。
「いいっ!」
体がぐんと反った。
 アヌスに差し込んだのは初めての経験である。美貴の反応が強かったのでさらに深く入れた。
「あっ、あっ、いやいや」
そう言いながら自ら尻を押しつけてくる。有村はこれまで覚えたことのない刃のような鋭い昂奮に襲われた。
 美貴は口を開けたまま横向きの体をさらに反り返らせる。尻を持ち上げ、抱えて指を抜き差しした。
「あう、あう、あうう!」
快感なのか苦痛なのか、身をよじりながらうつ伏せになって突っ張った。なおも前へ前へと伸びあがっていく。押さえつけて捏ねまわす。
「いやん、いやいや」
枕に顔を埋めて喘ぎ続けた。

 いつの間にか有村は息を乱していた。異様な感情に捉われている自覚がありながら行為を止められなかった。
 気がつくといきり立っていた。考える間もなく、美貴の尻を引き上げ、指を抜くとイチモツを宛がって一気に押し込んだ。
「いたい!」
前に倒れていく。
(にげるな!)
腰を引きもどし、尻を平手で思い切り叩いた。
「ひい!」
咄嗟のことであった。自分が痛かったのだからかなりの力だったと思う。瞬く間に尻には手の痕がが浮き上がってきた。

「許して!」
美貴の声は悲鳴に近い。その声にかっと熱くなってまた尻を叩き、猛然と動いた。
「いい!」

(肛門に入っている……)
押し返すような抵抗を感じたのは入口だけで、入ってしまうと内部は空洞のように柔らかい。膣より熱いと感じた。
(どうかしている……)
思いながら快楽の渦に巻き込まれている。何が自分を衝き動かしているのだろう。……しかし考える余裕はなく、ひたすら秘門を突いた。花開いた菊の蕾。

 美貴はもう逃げようとはしない。逆に突き返してくる。両手はシーツを掴み、もはや拷問に耐える罪人のようだ。だが喘ぎは歓びに変わっている。
「ああ!感じる!」
美貴の官能の叫び。
(ああ、イク……)
洋ナシ形の尻に突き刺さっている自分のペニスを見下ろしながら、有村は間もなく眩い瞬間を迎えた。美貴を抱えて迸りの反動をぶつけながら目を閉じた。



 その後一か月ほどの間に有村は三度『純』を訪れた。
ホテルを出て駅で別れる時、また会いたいと伝えると、表情を崩さずにぽつんと答えた。
「ご縁があったら……」
それだけ言ってわずかに会釈をすると背を向けた。
 妙な行為を仕掛けて気分を害したのかと気になったが、彼女もそれなりに達したようにも思える。
(なにより絡み合って交わったのだ……)
きっとまた会ってくれる。願いにも似た思いを握りしめていた。 


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