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透明な滴の物語U
【同性愛♀ 官能小説】

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蘇る記憶-6

凌辱の限りを尽くされた下半身には力が入らず、途中で何度か躓きそうになりながら帰ってきた。

自宅の玄関を開けると、麻衣の靴があった。
(あら?麻衣は帰っているのかしら)
不思議に思った。
トイレへ入ってみると、便座に備え付けてある温水シャワーの水勢ダイヤルが最強になっていることに気が付いた。
狭い家はすぐ隣が脱衣スペースと浴室になっている。
先ほどまで浴室が使われていた形跡があった。
なにかを感じ取り、祐梨の顔色が変わった。

祐梨は麻衣の部屋の「ふすま」の前に立った。
「麻衣ちゃん、いるの?」
部屋の中からは返事がない。
寝ているのだろうか。
しかし、麻衣が身体に変調をきたして早退してきたことは明らかだった。
妹が心配だった。
眠っているにしてもこの目で確かめたい。
「ごめんね、少し開けるからね」

ふすまを引いた。
麻衣はベッドの上で上半身を起こして座っていた。
上半身は裸である。
乳首は薄く色づき、若い性の萌芽を主張している。

祐梨は、この部屋に漂う淫靡な気配を感じ取った。
女の性器から発散された肉体の匂いを嗅ぎ取ったのである。
目が合うと麻衣は目を伏せた。
机の上に薬の紙袋が置いてあることに気がついた。
病院の名前が印刷されてあった。
祐梨は一瞬のうちにしてすべてを理解した。
「麻衣ちゃん…」
麻衣は顔を上げた。
姉の目はいつものように優しかった。
しかし、今はそれに加えて深い同情の視線が目の奥に漂っていることに気がついた。


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