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透明な滴の物語U
【同性愛♀ 官能小説】

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蘇る記憶-5


自ら被虐感に酔うように顔を歪め左右に振る。
そうしているうちに、本当に涙が出てきた。
涙の一滴が枕にしたたり落ちる音がした。
それは自演の快感に酔ったための涙であり、決して辛いからではなかった。
被虐的な快感に酔っていることが心地良かったのである。
「…いや、いや。浣腸やめて…。麻衣に浣腸するのはやめて…」
白い脚を絡ませ擦りあわせる。
「ハァ…、ハァ…」
クリトリスを擦り続けているうちに、頭がほんわりと温かくなってきた。
「あぁ、気持ちいい…」

ナースから入れられた薬液が麻衣の身体の奥で拡がる。
「あぁ、見ないで…。みんな、見ないで」
病院にいる皆が自分を見ている。
待合室にいる人もベンチから立ち上がり、こちらを見ている。
パジャマ姿の入院患者も立ち止まってこちらを見ている。
私を見ている。
皆が、私の尻穴に突き刺さるチューブを凝視している。
チューブの中を流れる透明な液体がどんどん尻穴から腸内へと消えていく。
「お願いだから、見ないで…」
恥ずかしいのに感じてしまう。
矛盾した感情に頭が痺れ、膣口から熱い液が滲み出てしまう。
あんなに恥ずかしかったのに感じている。
もういちど液を入れてもらいたい。
私の腸の奥に浣腸液を入れてほしい。

麻衣は、矛盾した自分の感情をコントロールできなくなっていた。
もはや自分の意志では抜けられない快感のぬかるみにはまり、翻弄され続けることしかできなかったのである…。


ちょうどその頃、姉の祐梨は団地の敷地内に入ってきたところであった。
会社を早退して帰ってきたのである。
疲れている祐梨を見て上司はあっさりと早退を促した。
その上司こそ、祐梨の疲労の原因を作った聡美本人であった。


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