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坂を登りて
【その他 官能小説】

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前編-5

「ゼンリョウ君。口が軽いわね」
睨みつけた。
「だって……」
「俺達みんな、小さい時から小夜ちゃんが好きだったから、ゼンリョウだけっていうのはずるいよ」
井浦正の目は真剣である。
「そうだよ。みんな好きだったんだ。いまだって他の女子には目もくれない」
西沢昭一が鼻を膨らませて言った。
「なによ。そんなこと、いままで言ったことなかったじゃない」
「言えなかったんだよ」
四人は頷きながら顔を見合せて、ふたたび同時に両手をついた。

(みんな、あたしを好きだった……)
小夜子の気持ちはその言葉で和らいだ。もともと割り切りのいい性格である。
「いいわ。見せてあげる」
安堵の声と溜息が入り混じった。

 男子が先だと条件をつけると、それぞれ目配せしながらもじもじしていたが、ゼンリョウが立ち上がると先陣を切ってピンと伸びた一物を晒した。小夜子に射精まで見られているからその意味では経験者である。
 それを見て、竹川、西沢が続く。
(まあ……)
小夜子は驚きを隠し装って並んだ竿を見比べた。形も大きさも色合いも微妙にちがう。西沢のはゼンリョウと同じくらいの大きさで先端の一部だけ桃色の内部が見えている。竹川の物は二人より一回りも大きくて先っぽに皮がまったくない。
(サツマイモにこんなのがあった……)

 井浦だけがためらっている。
「正、早くしろよ」
竹川に急かされて正は泣きそうな顔で、
「俺、おっ立ってないんだ……」
しきりに股間を揉んでいる。
「そのうちたつよ。小夜ちゃんの見ればすぐだよ」
井浦はしぶしぶ摘み出して両手で隠した。その手をどかしたのは小夜子である。ふだんの状態からどうなっていくのか興味が湧いたのだ。ちっちゃくて、ミノムシがぶら下がっているみたいだった。

「小夜ちゃん……」
竹川の訴えるような眼差しに、小夜子は頷いて腰を下ろした。四人はがさごそと膝をつき、その手は自身を握っている。
 脚を伸ばして腰を浮かせ、お尻のほうから少しずつパンツをずらし、脱ぎ終わるといっせいに彼らの溜息が洩れた。股間が妙な感じである。

 一息ついて、膝を立て、ゆっくり脚を開いてから被っていたスカートを捲った。
「おお……」
全員の声だ。みんな前のめりになる。
 右手を後ろについて上体をやや反らす。そして左手の指で開くと目を閉じた。
(ああ……)
覚悟を決めていたつもりでもやはり羞恥はある。予定外の四人いっぺんである。

「すげえ……」
「あそこがサネだ」
「ほんとに割れてる……」
あとは息遣いだけが聴こえていた。
 思い出して井浦の股間を見るとミノムシはスッポンに変身していた。

「ちょっと触っていい?」
西沢昭一が手を伸ばしてきた。
「だめ……」
小夜子は即座に言った。はっきりした理由はない。もったいぶったわけではないが、何となく一線を画しておきたいような自尊心めいた気持ちであった。

「紙をくれ」
切迫した竹川の声に続いてそれぞれちり紙が回された。
(出るんだ……)

「見せて」
小夜子が体を起こすと、
「小夜ちゃん見えない」
スカートをたくし上げて股を広げたままちり紙を当てた竿を覗き込んだ。
「出るとこ見せなさい」
小夜子の強い言葉に全員反射的にちり紙を外した。手は扱き立てている。
「ああ、もう……」
「うう……」
四人は相次いで放った。
(うわ……)
勢いよく畳まで飛び散った。
 縮んでいくところを見たかったのだが、みんな拭き取るのもそこそこにしまい込んでしまった。

 誰も口を利かず、顎から滴る汗を手で拭っていた。走ったあとのように息が弾んでいる。妙に気まずい雰囲気だった。
 小夜子はスカートを元に戻すと立ち上がって。
「他の部屋借りるわね」
大胆に披露しておきながら、パンツを穿くところを見られるのは厭だった。部屋を出かかってからまた戻り、四人の前に片膝をついて一人一人と目を合わせた。
「今日一回だけの秘密よ。いいわね。あばずれじゃないんだから」
 帰る時、四人は何も言わず正座していた。


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