デアイトサイカイ-14
驚くパルにテオはクスクス笑って続きを話した。
「母さんは巨乳でデカ尻のクセに身軽。父さんは奴隷時代に色んな改造されてて、成長は止まったけど超怪力」
そこで話を1度止めたテオは、息を大きく吸う。
「で、改造の結果……父さんは魔物になったんだ」
「魔物に?」
「ああ、詳しくは知らねぇけど『核』を埋め込まれたんだと……普通は『核』に耐えきれずに死ぬんだが、父さんは耐え抜いて吸収した……で、魔物になった」
パルはそっと顔を動かして肩にあるテオの顔を覗いた。
「だからテオには効かないんだ?」
「ん?」
「アタシの魔物の力……金縛りとか、チャームとか」
「ああ、産まれた時から側に魔物が居たから耐性があるんだろうなぁ」
詳しい事は分からないが、そういう事なんだろう。
「え?そうじゃなくて、お父さんが魔物ならテオも半分魔物でしょう?」
側に居たからとかの問題じゃない、とパルは突っ込む。
「は?ああ……父さんとは血が繋がってないんだ。ホントの父親は別に居る」
愛玩奴隷でもあったテオの魔物父は、パイプカットされて元々子供が作れない。
「実はホントの父親はクラスタに居るんだな」
「え?」
「旅の目的はそれ。会ってみたいんだ……ホントの父親に……で、聞きたい事が沢山ある」
何故、母を孕ませておいて逃げ出したのか?
母を愛していたのか?
母親はその話をすると途端に不機嫌になるし、魔物父も苦笑するだけで話してくれない。
だったら実際に会って聞くしかないのだ。
「じゃあ、ランス達と一緒に行きたいんじゃないの?」
ランスがクラスタに行くと聞いた時、テオは一瞬迷っていた。
「まあ、な……でも、男共と行動するより女と一緒の方が良いしなぁ」
テオはクスクス笑ってパルの耳をはむっと口に含む。
「んっ」
パルは一瞬、くすぐったさに身体を縮めたが直ぐに力を抜いてテオに身を任せた。
「なぁ……目、魔物にしろよ」
耳元で囁かれるお願いに、パルは素直に目を魔物に変える。
くいっと顎を掴まれ、後ろを向かされたパルとテオの視線が合った。
「オレら逆だな」
「ん?」
「目の色」
瞳が赤で周りが黒のパル。
テオは逆に瞳が黒で周りが赤だ。